約 3,574,379 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/716.html
春の風にしてはやや肌寒い感じが残る鳳凰カップ初日 雲ひとつない日本晴れがまさにイベント日和といった感じだろうか 予選開始時間は十時 初日である今日の予定はバトルカップ予選とブース出店 ちなみにバトルカップの解説は決勝リーグからとなっている だから今日の俺にはあまりやることがないのだ 本来イベントの始めにおこなわれる開会式は軽く開会宣言のみで、主催者挨拶なんかは決勝リーグ前におこなわれるらしい 御袋曰く「運動会前の校長先生のお話ほどやる気が無くなるものはないからねぇ~」とのこと 俺はその判断に激しく同意していた 「グッジョブ、御袋…」 そう頷く俺の両隣には 「うっわぁ~スッゴイ人の数~」 「こんなに大掛かりなイベントだったのか?」 と人間大のマオチャオとアーンヴァル 言わずもがな、神姫のコスプレをしているインターフェイス使用中のミコとユーナである ………やっぱり神姫なのに神姫のコスプレするのってなんかおかしいよなぁ いや、俺がさせてるんじゃないよ?よいこのみんなならば犯人が誰だか解ってくれるよな? そう、犯人は勿論今回の祭りの主催者にして俺の宿敵… 「ふおっほっほ、やはり似合っとるぞ美子ちゃん、優奈ちゃん!」 うちのクソジジイさ 「兼じぃだ~」 「でたなジジイ」 「くたばれジジイ」 「登場して間もないのに凄いブーイングじゃな…」 美子、優奈、俺の三段コンボは老人の心を少し傷つけた 「当たり前だ。なんたってこいつらにこんなかっこさせにゃならんのだ」 いくら神姫のイベント会場にいたとしてもこいつら二人の格好はかなり目立つ それとともに俺も一緒となると吊るし上げをくらったようなもんだ 正直周りの目線がキツイ オイコラ、勝手に写メを撮るな 「祭りには可憐な華が必要じゃろ。二人には祭りの盛り上げ役として力を貸してもらいたくてのぅ」 可憐な華? こいつ等が? うん、それじゃあよいこのみんなもお兄さんと一緒にジジイに並んで二人の姿を観察してみよう!! 俺は前にも見たことはあるんだが、この際上から下までジックリと観察してみることにする うちの三人の中では一番小柄な美子 控えめな胸、細身の体、そしてくりくりとした目のはちょっと危ないロリ属性 「にゃ……お、お兄ちゃん…」 すらっと伸びた両足、結構ボリームのある胸、オレンジ交じりの髪から覗く首筋、赤くなった頬に少しつり目のツンデレ属性、優奈 「あ、アニキ…目が……えろいぞ…」 というか二人ともモジモジと身悶えするんじゃない お前らのほうがよっぽどえろいからさっきよりも周りの視線が集まってるじゃないか 「後は毎朝優しく起こしてくれる幼馴染ぐらいは欲しいのぅ」 ボソッと老人らしからぬ発言 まぁこれは今に始まったことじゃないんだがな… 「老人の朝は早いから起こしに来るのは無理なんじゃねぇの?」 しかし、うちで朝起こしてくれる幼馴染キャラといえば俺の左肩に座っている奴が最も近かろう 「御爺様、私はよろしいのですか?」 一人だけ神姫素体のノアである 三人の中じゃ最も俺との付き合いは長いし、お互いのことも相当理解してる 朝起こしに来てくれるのもノアだしな もっとも、俺の中じゃ炊事に洗濯、掃除に買い物、何でも来いのクールな万能メイドさんのイメージが濃いのでそれもどうかと思ったりするのだが… 「ノアちゃんはいいんじゃよ。明人がこのイベントに参加するんじゃ。神姫を一人も連れとらん明人なんぞに価値はありゃせんわい!」 物凄く酷い言われようだがもっともなので言い返しはしない こちらとしても武装神姫のイベントに神姫も連れず、代わりに神姫のコスプレしている女の子を三人も連れて歩くウザイ野郎になることは御免こうむりたいのだ 「ノアちゃんは一番顔が知れとるからの。それにほら」 ジジイがノアにパンフレットを指差してみせる 俺たちは四人ともジジイの指差すパンフレットの位置を覗き込んだ そこはブース案内の國崎技研の紹介箇所 「國崎技研……ああ、ミラコロを共同開発してるとか言ってたな」 「そうじゃ。しかしあれからさらなる機能が追加されたんじゃ。國崎にできる若造がおっての…と、今言いたいのはそこじゃないんじゃ。内容を読んでみい」 ジジイに言われるがままもう一度パンフレットに目を落とす 「ヘンデル及びグレーテルのデモ、体験。グレーテルを使ったお菓子作りコンテスト。優勝商品はグレーテル通常版……お菓子作りコンテスト?」 「うむ、そこの『グレーテル』とは神姫用のシステムキッチンのことじゃ。なかなか小粋な宣伝をしよるわ。ふぉっほっほ」 神姫用のシステムキッチンねぇ… あいにくうちの神姫は普通のキッチンで毎日俺にメシ作ってるからなぁ… っておい、まさか…… 「ジジイ…コレにノアを出させようとか思ってんだろ?」 「薦めてみようと思っとるだけじゃ。無理にとは言わん」 なんだ…良かった ノアが出たら反則気味に有利になっちまうからなぁ 「無理に言わんでも結果はでとるからのぅ…」 「は? 何か言った…」 そこまで口にすると左肩から物凄い気配を感じる 悪い予感が渦巻く中、そぉっと視線を左に移すと… 「お菓子作りですか……ふふふふふ、腕が鳴ります」 地獄の番犬様が両目を閉じて微笑んでいらっしゃいました 燃えてらっしゃいます 橘家の台所番長様が闘志を燃やしてらっしゃいます 橘さんちの番犬さん、お菓子作りコンテスト参加決定… それから少しの間ブースを回る 大手企業各社に噂のアマチュア『F-Face』と三屋八方堂 凄い人の波でそれだけ回るとかなりの時間が経っていた バトルカップ午前の部が終了したことを知らせるアナウンスを聞き、俺たちは足を止める 「もうこんな時間か…」 「ひとまずアルティさんたちと合流しますか?」 「そうするか…」 携帯を取り出すと葉月からのメールが一件入っていた ブース、喫茶店LENに集合!(*^▽^*) 簡潔に記された用件と最後に顔文字… 「コレはあれだな。嬉しいけど内容は直接話したくてとり合えず早くメールしてしまえと……」 「よくわかるなアニキ…」 「まぁ一応あいつの兄貴だしな。とり合えず今のところ全員勝ってるみたいだ」 パンフレットを持っているノアのナビを頼りに待ち合わせのブースに向かおうとして思いとどまる 「おっと、おまえら…そのままだったらまずいな…」 「あ、葉月んがいるんだもんね~」 ノアのインターフェイス時は紹介してあるから問題ないのだがこの二人はまだだったりする というか説明するのがめんどくさい 「じゃあ鳳条院のブースまで戻るか?」 ミコとユーナのために鳳条院の企業ブース兼、総合本部の裏にロケバスを用意してもらっている そこで神姫素体とインターフェイスの交換を自由にできるようにとのジジイからの処置だ しかし、そこまで戻るのか…面倒だが仕方がない 少し遅れるとメールを早打ちすると若干早歩き気味で本部へと歩き出した 「兄さん遅いよ~」 予選も休憩時間となり、出場者や予選観戦客もブースの方へと移って来たので人の波も混雑して約束のブースまで15分もかかっちまった オープンカフェになっている喫茶店LENはランチタイムともあって大盛況の様子だ 「わりぃ、ちょっとあってな」 俺用に用意していてくれたのか、葉月とアルの間に空いている席に座る 「こっちにいたならそんなにかからないでしょ?」 一度本部に帰ったとも言えず、誤魔化すようにウェイトレスの男性を呼んで注文する ノアとミコはチキンサンド、俺とユーナはカツサンドのコーヒーセットだ 「で、調子は?」 俺の一言に全員がニヤリとする こりゃ聞くまでもねぇみたいだな 「無論、勝っている。私達はAグループで三戦三勝だ」 「予選は何試合だったけ」 「全四試合、それに勝ち抜けば決勝リーグにいける」 なるほど、アルとミュリエルは決勝リーグまで王手をかけているわけか… 「俺達はJグループで二勝中だ」 「私達も同じく二勝。グループはMで、次が三戦目です」 「私達はアルティさんと一緒で試合がスムーズに進んだから次で最後だよ。あ、グループはBね」 とり合えずグループは分かれたみたいだな 決勝リーグまで同士討ちということはなさそうなので一安心か 運ばれてきた昼食は物凄く美味かった ちらっと特設カウンターの方を見るとここのマスターであろう女性が黒葉の学生となにやら話しながらコーヒーを淹れている うをぅ…なかなかの美人だぞ 昴が気に入るわけだこりゃ… とぼんやり考えながらマスターを見ていた俺の両太股が葉月とアルに抓られた その後、食事を終えてから皆と別れる アル達は午後の予選開始までにはまだ幾分か時間に余裕があるらしく、予選会場に近い大手企業の方を見て回る言っていた 一緒に来いと誘われたのだが、さっきまで回っていたのでさすがにお断りしておくことにした それから俺たちは律儀にも再び本部まで戻り、ロケバスでミコとユーナを再びインターフェイスに変えてから一般参加ブースを見て回るために表通りに出たところで営業二課の渡辺さんを見つけた 「渡辺さん」 挨拶しておこうと見慣れた後姿に声をかける 「あぁ若、丁度よいところに」 振り向いた渡辺さんは少しホッとした様子 「ん? 何か俺に用事?」 「はい。ですが私ではなく…」 「久しいなアキヒト」 渡辺さんの後ろから俺の名前が呼ばれる 後ろを覗き込むと不敵な笑顔の少女が一人 「観奈ちゃん」 「フッ、挨拶に来てやったぞ」 國崎技研の社長、 國崎 悠人氏の愛娘にしてランキング72位のファーストランカー、國崎 観奈ちゃんである 「久しぶりなのだノアール」 「ミチルさん…」 彼女の頭の上にはパートナーである『白い翼の悪魔』、ミチルちゃんが乗っている 「久しぶりだな。たしかアメリカに行ってたんだって?」 「うむ、NY大会が目的だったのじゃ。なかなかの猛者ぞろいで楽しかったぞ」 楽しかったか…相変わらずカッコいい性格してるなぁ… 「優勝したんだろ? 大したもんじゃないか」 「む…ただ心残りがあっての」 心残りってか? 「むこうで戦ってみたい者がおったのじゃが、奴はもうアメリカにはいなくての…」 ほう、観奈ちゃんに注目される相手か… 「気になるな。誰なんだ?」 「アキヒトも多分知っておるじゃろ。アルティ・フォレストじゃ」 「……………」 「どうした?知らなかったのか、この大会にもエントリーしとるはずじゃぞ」 「ミュリエルとのバトルが楽しみなのだ」 知ってるよ よーく知ってるよ あ~んなとこやこ~んなとこまで知ってるよ… まぁ、いたいけな少女相手にそんなこと言える訳でもないけどさ 「わらわ達はCグループじゃからの。上手くいけば奴とは決勝リーグの二回戦で当たるというわけじゃ」 腕が鳴るのうと気合満々の観奈ちゃん 「…明人さん…お久し…ぶりです」 「うわぁ!!」 いままで気づかなかったが観奈ちゃんの後ろに一人の女子高生が立っていた 「…すいません…驚かせて…しまったようで…」 「あ…あぁ、いえ、こちらこそすいません」 さっきからいたのに気づかなかった俺のほうが悪いと思うんだが彼女は丁寧に頭を下げてくれた 「えぇ~と………どちらさまでしたっけ?」 その上俺はこの人のことを憶えてないのだ 俺って無礼者? 「…憶えて…いないのも…無理は…ありません…およそ…七年ぶり…ですから…ね」 七年ぶり…ん? この独特の話のテンポは… 「もしかして…斗小野会長のお孫さんですか?」 「…はい…斗小野 水那岐…です…」 驚いた 何にって…彼女の容姿は七年前の社交界で会った時とそっくりそのままだったのだ え~と、確か俺より二つぐらい上だったように記憶していたんだが… 「…ほんと…お久しぶりです…とは言っても…明人さんの…活躍は…いつも…メディアで…拝見…させて…もらって…いますけど…」 「あぁ、それは恐縮です…えと、水那岐さんも武装神姫、始められたんですか?」 彼女の両肩にはジルダリアとジュビジーが 「…ええ…まだ…始めた…ばかりですが…二人とも…挨拶…」 「やっほー。私は火蒔里。ひじりんって呼んでね♡」 「花乃ともうします。明人さんにノアールさんですね。お二人のことは存じております。御会いできて光栄です」 眩しい笑顔で手を振るひじりんと礼儀正しくお辞儀をする花乃ちゃん 「そりゃどうも。もしかして二人も大会に出るんですか?」 「…ひじりんは…アクシデントで…出れなく…なりましたけど…花乃が…頑張って…くれて…います」 「それじゃあ今のところ…」 「…ええ…次は…Iグループの…三回戦です」 ルーキーなのに大したものだ こう見えて水那岐さん、センスあるのかもな… 「それよりもノアールだけでミコとユーナの姿が見えんが…」 いつのまにか美子にだきしめられている観奈ちゃん 「あ、あいつらは…」 アナタを思いっきり抱きしめてますよ~とも言えないよなぁ… つぅかお前は何やってるんだよ美子!! (だって可愛いんだもぉ~ん♡) 目線で返事をするな 「二人は御爺様のお手伝い中ですよ」 ノアのナイスフォロー 確かに嘘は言ってねぇよな… 「ふむ、だからアキヒトはこんな美少女を二人もたぶらかしていたと…」 ジト目になる観奈ちゃん いや、誤解だってば たぶらかしてねえし、噂のお二人はここにいますってばよ 「まぁ、わらわが言うのもおかしな話だがな…」 と、微笑交じりの最後の言葉がひっかかったが… 「それで、解説者様がこんなところで何をしているのじゃ?」 「解説は決勝リーグからだからな。今日はこれからおたくのブースでお菓子でも作りに行こうかと」 「なに、まことかっ!? それならば共に来るがよい。わらわも恋人に会いに行くところじゃ」 「恋人?」 おませさんですね、最近の小学生は… 「うむ。おぬしに劣らず男前じゃ!」 いや、観奈ちゃんの恋人だろ? 小学生か、少し年上でも中学生くらいだよな… それと比較さてれも複雑な気分だぞ 「ほら、行くぞ!!」 観奈ちゃんに背中を押され、俺たちは國崎技研のブースへと向かったのだった 追記 鳳凰杯、警備隊本部 「いまのところイベント進行は順調なようだねミス・桜」 「フェレンツェさん。えぇ、なんとか予定通りに進んでいます」 「そうか、それは何よりだよ。私はお祭りが大好きでね」 「あなたの周りはいつもお祭りのようですけどね」 「ハハハ、確かに」 「娘さんとご一緒しないんですか?」 「なに、急がなくても祭りは逃げやしないよ。私は責任があるのでね。万が一の事態に備え様子を見に来たんだよ…」 「インターフェイスですか…大変ですね」 「なに、理解ある協力者達が助けてくれている。私は幸せ者だよ」 「そうですか。なら、私もその協力者としてここの警備指揮はまかせていただきます。どうぞ祭りをお楽しみ下さい」 「…ホントに私は幸せ者のようだな。ここはお言葉に甘えるとしよう。古き友や知人がブースを出しているものでね。娘と挨拶に行ってくるよ」 「そうですか。では楽しんでいらしてください」 「君もよい祭りを…ミス・桜」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2689.html
第一話:仮装姫 俺の学生としての朝は早い。授業がだいたい、一限目からあるのもそうだが、蒼貴、紫貴のメンテもしなければならないからだ。不本意ではあるが、杉原からそれに関する知識を学んで、それから日課にしている。工業大学所属の俺としては精密機械をいじれるのは授業の助けになっており、非常にプラスに働いている。二人を整備できて成績アップになるのだから苦にはならない。 蒼貴と紫貴とああだこうだ雑談しながらそれを終えたら、大学に行くべく、スマートフォンやら財布やらの常備品や道具を詰めた通学用のカバンを持って、二人に見送られながら部屋を出る。ここからは大学生 尾上辰巳として活動するのだ。 家の外へと出たら、大学へと向かう。通学には電車を使っている。その気になれば時間はかかるものの、自転車でも通えるのだが、電車の方が帰りの飲み会などの時に都合がいいからだ。 「今週の週刊バトルロンドを見たか?」 「ああ。また双姫主の尊がランカーをぶっ倒したらしいぜ? これだけの事をやっていて何で素性を隠すんだろうな?」 「さぁ……? 闇バトルをぶっ潰したこともあるとか、バーグラーに結構、因縁つけられているとか黒い噂もあるからじゃね?」 「ほんと、すげぇよな。憧れるぜ……」 大学へ行くための電車の中で何やら中二病でも患ってそうな残念な二人組が俺の噂をしている。誠に申し訳ないが、実際には学生生活でそれがバレると人間関係上、非常に好ましくない事になるからだし、ランカーとかバーグラーに関しては倒す必要のあったり、止むを得なかったりする相手がたまたまそうだっただけだ。十中八九、お前らのヒーロー像を台無しにするだろう。 内心、軽い謝罪やら、憧れの否定やらが混ぜこぜになった気持ちでそいつらをスルーして大学のある駅を降りる。駅を降りて、徒歩十分の所に俺の大学がある。少しは名の知れた工業大学で中堅に位置するまぁまぁな大学だ。ちなみに男性八割、女性二割のむさ苦しい環境にある。工業大学にはよくある事である。 そうそう、『尾上辰巳』と『尊』の時は髪型のセットを変えたり、伊達眼鏡の有無でかなりの差をつけている。俺を知るヤツでもない限りはバレる事はない。 十分間、通学路を歩いていく。今回も例によって気づかれる事なく、通り過ぎることができた。 「尾上~。授業行こうぜ~」 振り向くとチャラ男のテンプレの様なファッションの男がいた。 樺符 守。それが彼の名前だ。高校時代からの友人で大学でもよく同じ授業を取るため、大学に行くと高い確率で会える奴だ。 「ああ。確か、今日の一限は埴場先生の心理学だったな」 「メンドくせぇんだよな。あの先生の神姫の心理とかの話はよ。神姫なんてキモいだけじゃん。オタクの最新アイテムってだけだしさ」 「そう言うな。授業に出れば単位はもらえる」 「ははっ。それもそうだ。今日も寝てそうだぜ」 この様に神姫はオタクのフィギュアと同列と認識している。神姫には心はあるが、彼の場合は実際の女性と遊ぶことの方が遥かに楽しいし、神姫など所詮はロボットだし、フィギュアの延長線としか思っていない。それが真っ当だと思っているのである。 勘違いしないでほしいが、俺は神姫マスターになっても彼を嫌ってはいない。普段の守は根は優しいし、面倒見はいい。サッカー部ではエースストライカーを任されるほど、しっかり努力をしている。普通の人間としては恰好を除けば極めてまともなのだ。そして、彼の神姫への認識は別に大衆的な観点から言えば、間違っていないのだ。 神姫は確かにオタクが多くもっており、アレな衣装を着せて好き勝手やっている様は野郎がお人形遊びしている様にしか見えないという偏見は少なからずある。そもそも俺もその一人だったのは蒼貴と出会ったばかりの時の通りだ。 彼女と出会う前は工業大学で剣道をしながら、守を初めとする友人達と遊ぶ神姫とは無縁の生活をしていたのである。 「そういや最近、お前は忙しいのか? いや、誘っても頻繁には来なくなったからよ」 「バイトが忙しくなったのと、友達が増えてスケジュールが埋まるからだな。お前も結構、増えたんじゃないか? もう俺達も大学二年の後半だ」 「確かにそうだな。すまねぇな」 「気にするな。プライベートは人それぞれさ」 蒼貴と会ってからは、こうして嘘もついている。大学生活と神姫生活の二重生活のためにな。 後は守と適当な雑談をしながら、教室へと入って席に付く。周りを見てみると神姫たちが見え隠れしているのがわかった。 デブがマリーセレス型と戯れていたり、生きていられるのかと不安になるほどガリガリでビン底の様な度の凄そうな眼鏡をかけた奴は他の人達に目もくれずにラプティアス型とボソボソと話をしていた。 「うっへぇ。相も変わらずってもんだなぁ……」 彼らは極端な例だが、こうした光景を見ると守が気味悪がるのもわからないでもない。こういう光景が珍しくないのが現状の神姫のイメージと思われても仕方のない事のなのかもしれない。城ヶ崎玲子や藤堂亮輔の様な金持ち美人や若い妻帯者が神姫をやっているというのが少しでも見られれば少しは守のイメージは変わるかもしれないが、この場でそういった類の事は……あまり期待できない。 何も返事をすることのできない俺はその言葉を無視して、筆箱やら、ノートを自分の前に出して準備をする。 「お前は本当に真面目だよな。この授業ってテストあるけど、受けていなくても取れるって先輩の話だろ?」 「だからといってやらないのもな。ものは考えようで楽しめるさ」 呆れ半分、感心半分な口調で俺のその行動を守は授業の事を言ってきた。その返事は表側はそう答えたが、本当は埴場先生の神姫を交えた心理学の授業はなかなか興味の持てる内容であり、蒼貴と紫貴に出会って以降、後期の授業で取ろうと決めていたのだ。 「変わってるなぁ。まぁ、いいや。俺は寝るぜ……」 「また、夜遅くまで起きていたのか。よくやるなぁ」 「大学の奴とSkipeでダベっていたら結構な時間になってな……」 「そうか。まぁ、ゆっくり休んどけ」 「おう……」 適当に納得した守はSkipeで寝なかった時間分を補うためにすぐに机に突っ伏して眠りに入った。俺は彼をそっとしておく事として、授業の開始するまでスマートフォンを使った情報収集をする。イリーガルマインド関連の噂、有名なオーナーの噂と色々と調べ物をする。 十分後、教壇に埴場玲太先生が自分の神姫であるクラリスと呼んでいるアルトアイネスと一緒に立った。 「やあ。こんにちは。これから授業を始めるよ。最近、イリーガルマインドの偽物が出回っているらしいから気を付けてね。そういう違法パーツに惹かれる心理というのはだね……」 「教授。必要な事は伝えたんだから授業」 「そうだね。では始めよう」 埴場先生は心理学的な興味から神姫を始めた人で、そこからはまり過ぎてFバトルと呼ばれるライドオンシステム形式のバトルロンドの大会において、F0クラスで上位ランカーになったことがある程の実力を持つほどになったらしい。 ただ、××××という青年がF0にやって来ると、彼は二十位からあっさり先生のランクまでたどり着き、すぐに先生を超えて、一位をかっさらってしまったとの事だ。 ××××は違法DLアプリ事件と謎の連続爆発事件を解決し、長きに渡り、F1チャンピオンだった竹姫葉月をも超えたトップランカーだ。最強の名を欲しいままにする彼はいったいどうしているかはその事件以降はわからない。だが、「お人よし」だの「どんな神姫も認めるマスター」だの様々な言葉で多くの人に認められている彼の事だ。決して迷うことなく、正しいと思う道を行くだろう。 「……この様に相手の都合の悪い秘密を知ってしまうと、ギャップが生じてしまうんだ。簡単に言えばイメージが崩れたとか、こんなのは彼なんかじゃないとかそんな感じだね。あいどるなんかの知らない一面を見たときなんかにそれを感じたことはないかな? 他の人の神姫なんかでもいいかもしれないね」 今回は秘密、隠し事による気持ちの変化の授業であるらしい。皮肉にもそれは俺は大きく該当することになる。もし、守に自分が神姫を持っていることがバレれば、神姫を、そのマスターのイメージを嫌悪している彼はイメージとは違う俺を見て、拒否するかもしれない。 そうなれば、これまでの友情が壊れてしまうだろう。それどころか、噂が広まって大学での自分を見る目を皆は変えてしまうかもしれない。だからこそ、俺は神姫を持っていることを隠し通している。これまでの自分の繋がりを失わないために、な。 全く、何が『双姫主の尊』か。あるのは対戦で勝った事実だけで、大衆のイメージには無力だ。 「それを利用して悪さをする人もいる。脅迫ってヤツだね。そういうのは一度、応じてしまうとそうした人達はもっともっととやるのは映画なんかでもよくあるシチュエーションだ。チョコレートをあげたら今度はケーキをって具合にね」 問題はこういう所だ。必要に応じて選択していく必要があるだろう。当然、金銭やら物品を要求してくるならほっとくか、状況に応じてこちらもバラせない状況を作る。単純なバラす事だけをしたいというなら何かしらの勝負をして黙らせるだけで十分だろう。 もっとも、そういう事が無い様にわざわざ変装をしているのだからそんな状況に陥らないのが一番なのだが。 「さて、これで授業を終わりにしよう。来週は先週言った中間レポート提出があるから忘れないように頼むよ」 クラリスにたしなめられながらの埴場先生の授業が進むと、チャイムが鳴った。そうするとキリの良い所で埴場先生は授業を終わらせ、来週の連絡事項を伝えると教室から出て行く。 「ん……。辰巳、授業は?」 それと同時に周りの人達が雑談を始め、その多くの声で守が目を覚ました。 「もう終わった。来週はレポートらしいから忘れるなよ」 「先週の連絡のか……。わかった……。あ~、ねみぃ……」 「……俺は次の授業に行く。お前も遅刻しない様にな」 「結構、遠いとこの教室だったな。お互い、頑張ろうぜ」 「ああ。またな」 簡単に連絡事項を伝えると、お互い違う授業であるため、俺は守と別れて次の授業へと急ぐことにした。 次の授業はC言語のプログラミングだった。その辺りは蒼貴や紫貴のシステムチェックで覚えた知識が活かせるのでさほど、苦戦する授業ではなかった。 俺は授業以上の事はしなかったが、その手の変態の物となると神姫のオリジナルスキルプログラムを作ったり、他のロボットプログラムを作ったりと多種多様な専門的な話が行き交っていた。 武装神姫を初めとするロボット分野のシステムの幅の広さには内心、驚くものがある。オタクがなんだろうが、こうしてとんでもない技術をもっているのなら、問題はないはずなのだが、彼らは趣味がアレな方向に突っ走っている。そのため、他の人からはちょっと変な目で見られがちだ。バカと天才は紙一重とでもいうのだろうか。 授業が終わると昼休みに入る。俺は食堂で食事を取っていると、神姫関連の噂が飛び交っているのを耳にすることができた。それは狂乱の聖女やイリーガルマインドという実際にあった事例のある噂から、『異邦人(エトランゼ)』や『大魔法少女』といった通り名持ちの有名なオーナーの話まで非常に種類が豊富だ。 神姫オーナーになってみると毎日の様に聞ける訳の分からない単語も理解できるようになってきている。それだけ自分も武装神姫を知ることができているという事か。 食事が終わった後は後半の制作実習を神姫のメンテ技術を活かしてこなす。かなり基礎的なものであり、いつものメンテに比べれば楽な授業だった。 最後は部活だ。剣道部に所属をしていて、子供の頃から祖父の教育で様々な武術を習わされた経験の積み重ねから二年で指導する立場にあった。 「身体全体を使え。身を固くせず、柔らかく、円を描くようにだ」 俺は指導をしながら、後輩の連続攻撃を避ける、いなすと攻撃を見切った上での防御をしてみせる。 「そしてそれを闇雲にやるんじゃない。必中の気持ちでやれ」 後輩の攻撃は直線的であり、あまりフェイントもしてこないため、読みやすい。これでは勝てる試合も勝てない。 「わ、わかりました!」 今度は俺の隙を見計らうつもりか、闇雲に攻撃してこなくなった。いい傾向だ。 しばらく、狙いを定めるかの様に俺をにらみつけた後、面を仕掛けてきた。いい攻撃ではあるが……。 「胴! ……っと」 大振りのそれを素早い胴で切り抜け、一本を取ってみせる。一歩遅れて後輩の面も放たれたが、既に俺のいない場所の空を裂くだけだった。 「良い攻撃だったが、大振りだ。もう少し素振りをして、無駄なく触れるようにするといいだろう」 「はい!」 後輩のアドバイスをすると、彼は自分からそれを実践し始めた。これでこの後輩への指導のキリはいいと考え、別の後輩を捕まえるべく動こうとすると何やら二、三人が固まって議論しているのをみつけた。 「それにしても尾上先輩が神姫に指導をしたらどうなるかなぁ?」 「何かその神姫は化け物になりそうだよね。先輩、教え方上手いし、戦略ゲームを携帯ゲーム機でやってるのを見たことがあったけど、簡単にクリアしてたし」 「戦い方も超厳しいお爺ちゃんから、子供の頃から様々な武術を叩き込まれてて、わかっちゃってるからなぁ。マスターのスペックがそのまま、神姫に反映されたらすさまじいだろうさ」 「ああ。だから、この部活に多く来ているわけじゃないのに、あんなにすごく強いんだなぁ」 半ば本気、半ば冗談で俺が神姫に技を教えたらどうなるかが議題ならしい。 実際に持ったまでは現実になっているが、化け物にはなっているとは到底思えんのだがね。それに神姫で必要なのはパートナーとなる神姫との連携だ。それを幾千幾万通りと考えられる発想力があれば、特に武術やら才能やらがなくても、努力次第で違ってくるはずだ。どっかの雑誌じゃ、努力と友情と勝利という三つのキーワードを掲げているが、割とそんなものなのではないだろうか。 「おい。何話してんだ? 今は稽古中だぞ?」 「あっ!? すいません!!」 「先輩って神姫は知ってますか?」 「……周りで聞く程度にはな」 「それに先輩が戦い方を教えたらすごくなるんじゃないかって話していたんです。先輩、神姫をやってみませんか?」 「すまんが……時間がないから難しいだろうな。それより、稽古だ。ここで話をしている暇があるなら練習するぞ」 せっかくの誘いだが、俺は隠し、断る。それを了承することはない。尊の時もそうだ。こいつらでは尊が俺だと察してしまう。心苦しくはあるが、隠し通すしかなかった。 話題を稽古に無理やり切り替え、後輩達の指導をつづける事、一時間前後。剣道部の稽古が終わり、俺は帰路に付いた。 今日は一旦、家に帰って、蒼貴と紫貴を連れて、真那のバトルロンドの練習に付き合う事になっていた。少々早めに帰る必要があるだろう。あいつは遅れると色々とうるさい。 「ねぇ」 そんな中だった。駅に着く前に突然、肩を叩いて呼び止められる。その声の方を向くと女性がいた。彼女は……確か、弓道の竹櫛鉄子さんだった。 「何だ?」 「君が双姫主の尊君?」 「尊? 誰だか知らんが、人違いだ」 ポーカーフェイスな返事とは裏腹に竹櫛さんの言葉に俺は内心、驚愕した。変装をどうやって見破ったというのだろうか。 「そうなん? 君、『あのイベント』におったでしょ?」 「いや、いなかった」 「ああ、まどろっこしい奴だな。鉄子ちゃんよぉ。写メ見せてやんなよ」 突然、カバンからキツネ耳が特徴的な確か……レラカムイ型の神姫が出てきた。そいつは確か、コタマと遠野のイベントでは呼ばれていたのを聞いたことがある。 そして、彼女に促され、鉄子が携帯の画像を俺に見せてきた。 ……そこには俺がVRマシンで対戦をしている様子が写されていた。 動かぬ証拠だった。確かにこれだけしっかり撮れていれば、こうして偶然見つけたらわかってしまうだろう。ここまでの物を撮られているとは予想していなかった。いや、気づかれないと高をくくっていた自分の油断だったのかもしれない。 いずれにせよ。これ以上は言い逃れはできそうになかった。 「……場所を変えようか」 これ以上の正体バレを防ぐため、俺は彼女を別の場所……通学路から大きく外れた喫茶店へと誘う事にした。 それに対してコタマは少々不服そうだったが、二人は了承し、俺に付いて来てくれた。現状はこれでこの二人だけが知っていることになると考えられる。その後はこいつらとどう話を付けるかだ。 これは……面倒なことになった。 トップへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1975.html
「後始末」 ここから先はただの蛇足。 本当の意味で一ヶ月の間にあった話はもうおしまい。 何よりもう二学期は始まっていて、あの夏の一ヶ月は過ぎ去っている。 だからここから先は、本当にただの蛇足。 アタシはこの白いストラーフを親友である結城セツナに託そうと決めた。 誰よりも信頼していたし、海神を失った悲しみも焔と心を通わせた喜びも知っている彼女になら、この娘を幸せにしてくれるだろうと確信していたから。 それに、彼女の名前は刹奈を思い出させてくれる。 正直に言ってしまえば、未だ悲しみはアタシの中でしっかりと存在していて、時々その重さに潰れてしまいそうな時もあるけど、でもそれと共に思い出される楽しかった事が、アタシをまた奮い立たせもした。 あの町にいた時は、刹奈の名前からセツナを連想したものだったけど、今じゃその逆だなんて、少しだけ面白い。 「なんか踏み込めないって言うか。……壁を感じることがあるんだ。はぐらかすような、そんな感じにも見えたし。やっぱり年上って不利なのかなぁ……」 目の前でセツナはティーカップを弄びながら、気になっている年下の彼の事を話している。 まぁ、アタシが話を振ったんだけど。何事にも前振りって必要だしね。 ……確かその件の彼も、『せつな』って言ったっけ? 「具体的には、どんな?」 アタシはセツナの言葉を促すために言う。 丸々会うことの無かったこの夏の間、お互いに何があったのか話せる雰囲気が欲しかった。半ばそのために聞き始めたようなものだったんだけど。 でも「フラれた」なんて言われてしまえばそんな考えもどこかに飛んで行ってしまう。 「……なんて言うか、二人きりになることをまず避けようとする、かなぁ。友達か、神姫が必ず一緒にいる状況を作っているかな」 よっぽど思い悩んでいたのか、セツナは次々とその具体例を挙げていく。そして最後に、 「結構態度にも出していたし、遠まわしかもしれないけど口にも出して言ったんだけど。それとも男の人って、そこまで鈍感でいられるものなの?」 「うーん……そこまで行くと、どうなのかなぁ?」 少しだけ考えてみる。 少なくても、アタシならそこまで好意を寄せられたら少しくらいは「そうかも」とか考える。 夢絃みたいに、結局何も言わずに……逝ってしまっても、彼から受けた好意はしっかりと伝わっていた。 ただ、確信と自信が無かっただけで。 でも、それはあくまで女であるアタシの事であって、男である件の「せつな」君の事ではない。 思い出した心の痛みに耐えながら、アタシはセツナに言う。 「……実際の所、その彼がどう思ってるのか知らないけど、でもそれって、全部憶測なんでしょ?」 彼の行動からセツナが読み取った、彼の思惑というのは。 「まあ、ね。あくまでそういう風に感じた、ってだけ。それ以上は別に避けられているわけでもないし」 「狙ってやってるとしたら許せない所もあるけど、でもそれも思うところもあるのかもしれないし。どっちにしろ相手のこれからの出方次第だよねぇ」 あたしがそう言うと、セツナは頷く。 「ま、あんまり考えていても、なんともならないわね。この話はこれでおしまい」 確かにこれ以上考えても埒が明かないし、アタシの用件を切り出すのにもタイミングが良かった。 「で、今日は本当は何の用なの? まさかその話題だけで家まで訪ねて来たわけじゃないのでしょう?」 アタシが話を切り出す前に、セツナが話を促してくれる。 このあたりの察しの良さは、さすがと言うしかない。 「私も武装神姫やってみたいと思ってさ、ちょうど良いからってこれを注文したんだ。……だけど、これが届いた頃には、興味が無くなっちゃったんだよネ。まぁ、色々理由はあるんだけど、それは追求しない方向で」 別に隠すこと無いんだけど、この嘘で納得してくれるのであればそれに越した事はない。 そんなつもりでアタシは言った。 まぁ察しの良いセツナの事だから、嘘がすぐにばれてしまうかも、とは思っていたけれど。 そして案の定、すぐにばれたんだけど。 やっぱり嘘ついて引き取って貰うのは、フェアじゃない。 でもやっぱり、全部話す事は出来なかった。 「正直に秘密があるって言ってるんだもん。それをちゃんと言ってくれたんだから、それで十分」 そんな卑怯なアタシにセツナのかけてくれた言葉はとても優しかった。 そんなセツナが、「ねえ、朔良。この娘が起きるの、一緒に見届けない?」と言い出す。「なんとなくだけど、この娘が起きるときに朔良が居ないといけない気がするの」と。 なんだか本当に、セツナのこの察しの良さには救われると感じずに入られない。 アタシは少し緊張して、頷いた。 初めて見る神姫の初起動はなんか感動的で、その新たな意識の目覚めはアタシの心の傷に優しく触れてくる気がした。 不意に涙が零れる。 「……朔良、今ならまだ間に合うわよ?」 アタシの流した涙の事には触れず、それでもそっと確認をとる。 親友の、その思いを受け取りながらも、アタシは首を左右に振った。 この娘の為に、アタシの為に、アタシがオーナーじゃない方がいいという意見は、あの町で話したときと変わらずにアタシの中にある。 そのアタシに小さく頷いたセツナは、オーナー名の登録後、またアタシに視線を向ける。 その視線は「名付け親にもならなくてイイの?」と聞いてくる。 アタシはやっぱり首を振った。セツナに託したんだ。だから、全てがセツナによって行われなければならない。 アタシはそう考えていた。だから、アタシはこの娘の名前も付けられない。 この娘には、アタシの痛みを負わせたくないから。 そんなアタシを知ってか知らずか、セツナは悪戯めいた笑みを一瞬だけ浮かべる。 そして 「個体名、朔。 ……貴方の名前は朔。ここに居る朔良から一文字戴いたの。大切な名前よ」 さすがに驚いた。いくらなんでも、なんて皮肉な……。いや、違う。そのねじれたおかしな偶然こそ、きっと必然。 アタシ朔良が出会った神姫、刹奈。 親友セツナに託した神姫、朔。 そんな符号に、心のそこから嬉しくなる。 こんな気持ち久しぶりで。 だからちょっとだけいたずら仕返してやった。 あの夏の日は過ぎ去り、それはもう閉じられた扉の向こう側にある過去でしかないのだろうけれど。 アタシは忘れない。 あの人を忘れはしない。 あの出会いがあったから、アタシはここに居るのだから。 なつのとびら おわり / まえのはなし
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/94.html
は ま や ら わ 英 数 用語集 (は~わ・英・数) は [部分編集] バッカル マリーセレスのリアである、「アーク・E・トゥージス[A]+ハフ・グーファ」を装備することで使用可能なアクティブスキル。 大量の弾を敵に向けてバラまく。公式曰く、「当たればでかく、逆転できるロマンスキル」。 だがロマンスキルというだけあって、誘導がかなり弱い。具体的には横に歩いただけで簡単に弾が神姫の横をすり抜けるレベル。 一方硬直狩りに使うなら、非常に高い打点を「レーザー」などより安定して、タイミングさえ合えば確実に当てることが出来る。そのため、「体力回復」や「ゴールデンエンジェル」等モーション付きのスキル対策、あるいはスキル時に敵味方の神姫が動かないAIタッグバトルでの火力源として使われている。 この場合、アセンはバッカル無しでも戦える程度までチューニングする形が人気。体力回復を使えばバッカルを当てられ、使わなければそのまま倒されるという二択を押し付けられるからである。 なおバッカル時の硬直に対してもバッカルを当てることが出来るため、バッカルを持つプレイヤーが同時に二人以上居るならどちらがバッカルを後出しするかというバッカルメンコチキンレースが始まる。 バニーガール武装 卯年の2023 1/1に実装された武装。網タイツとスーツの質感が艶かしさを醸し出している。 バニートレーはクリティカルとブーストゲージの回復が秀でた投擲武器、マスクステータスは優秀だが、遅い弾速と短めの射程、適正神姫の数に難があるカテゴリである為、人は選ぶか。 防具はヘッドのバニー耳、ボディ・レッグ・アームの一式のスーツ、リアのしっぽの三ヶ所で構成されている。 性能的は若干ダッシュスピードが早く、かつCHAが高めなのでスキルを用いた運用では非常に心強い。但し、若干ジェム攻撃力は下がってしまうので一式で運用する際は注意が必要。とはいえ総合的に見てもとてもバランスがよいので武器と比べるとかなり実用性が高い。 レイドボスバトル(第八回)では、レイドボスのバニーミラージュから赤いバニー耳とスーツ、金色のバニートレー(と、ついでに通常版と同じ仕様の尻尾)を手に入れる事が出来る。 バリステ、バリブレ アーティルの攻撃リア装備、バリスティックブレイズ[RW]の事。人によって略称のブレはあるが同義。 コンボ前提になるが発射数2発×2の高速でそこそこ威力の高いホーミングミサイルを放てるので、レイドボスバトルにおいてはWAVE1~2の雑魚散らしに甚だ有効。アセンさえしっかりしていればボスにも有効打を与えられる。 そうした事から(発射軌道の癖の強さと度重なる(レイドでの)ナーフにもかかわらず)、今でも愛用しているマスターは多い。 勿論ジェムバトルでも厄介で、中距離で足を止めようものならミサイルの雨が降ってくるので中々曲者。誘導の限界で近距離は安置なので、遠距離+このRW持ちと対峙した場合さっさと距離を詰めよう。 バレンタイン武装(2021) 2021年バレンタイン期間限定武装。 「バレンタインツインドリル」「バレンタインスーツ」「バレンタインパフスリーブ」「バレンタインシューズ」「チョコペン銃(両手ライトガン)」。 スキルゲージが溜まりやすくなったりジェム回収の展開速度が上がる等、マスクステータス面は優秀なものの稼動初期のイベント武装だけに目に見える数値面では控えめなスペックで、後から出てきたホワイトデー武装の陰に隠れてしまったが、2022年期間限定復刻時以降は対バグ補正が追加されている模様。 …だったのだが、どういう訳かレイドボスバトル(第六回)においては、他のイベント武装にプラス補正が付いたのとは対照的に下方されてしまった(これはバレンタインクラシックも同様。他に下方されたのは15th装備のアーンヴァル側くらい)。 バレンタイン武装(2022) 正式名称「バレンタインクラシック武装」。 2022年バレンタイン期間限定武装で「バレンタインキャンディツイン」「バレンタインクラシックスーツ」「バレンタインクラシックパフスリーブ」「バレンタインクラシックスカート+バレンタインクラシックシューズ」「バレンタインクラシックシューズ」からなる。 チョコレート色の、ウェイトレス服かメイド服を思わせるロングスカートが中心となるコーディネート。ダッシュスピードが若干速くなり、スキルチャージ・ジェム回収展開速度が上がる。対バグ補正を持つと明言されている……が、第六回では削除された。 頭と足の装備で発動できるスキル「私のチョコだけ受け取って!」は、自分以外のダッシュ・ジャンプ速度を大きく下げることができる。 周りのステータスを下げてこちらが追いやすい/逃げやすい状況を作るという点では「攻撃スピードダウン」に近い性能を持つが、発動モーションがある代わりに素の機動力で劣る相手への追いつきやすさはこちらの方に分がある。 武器はないが、前年度及び復刻のチョコペン銃が適切か。 なお、スカート+シューズ武装とシューズ武装は排他関係にある。RW装備を重視したい場合は後者で。 余談だがバレンタインシリーズのシューズで唯一クラシックのみガーターにナイフ(護身用?)が仕込んである。スカート付きだと分かりづらいがシューズ単品だと一目瞭然。セクハラが過ぎると投擲される…かも? バレンタイン武装(2023) 2023年バレンタイン期間限定武装。 「ビターパンクハートヘア」「ビターパンクハートヘア・オリジナル」「ビターパンクスーツ」「ビターパンクアーム」「ビターパンクブーツ」「ビターパンクスカート」。 どちらかといえばガーリー寄りの可愛さが追求されてきたバレンタイン武装シリーズだったが、今回はデザイン面でパンクな方向へとシフトしている。 性能は他神姫撃破時のオートジェム回収機能がある事をはじめジェムバトル寄りだが、スカートの半分がレザーバンド仕立てとなっているため“見える”のが最大のポイント。 ジェムバトルに持ち込むなら高火力射撃と相性が良いかもしれない。 なお実装当初武器は含まれていなかったが、ホワイトデー武装(2023)の実装時にこの武装と適合する色のネジバットが改めて実装されている。 ハロウィン武装(2021) ハロウィンイベント(2021年10月11日10 00~同11月1日10 00)限定配布武装。 マジカル★パンプキンヘッド3種類(Pink、Blue、Green)からなり、いずれも有用なアクティブスキルを持っている。こちらも参照。 某閃光のハサウェイの余韻冷めやらぬ時期に実装されたため、そちらにちなんで偽マフティー呼ばわりされることも。 ハロウィン武装(2022) 2022年のハロウィン(10月31日10 00 ~2022年11月21日9:59)限定配布武装。「まじょっこ」衣装はLP及びDEX高め、状態異常補正に微量のブースト回復と、全体的に耐久に振った性能。 武器は3発誘導弾を放ち、ダメージ系アクティブスキル付きの片手ライトガン「キャンドルロッド」。こちらもホワイトデー(2022)武装と同様、「ハロウィン武装に武器が存在しない問題」を解決している。 更に死神の鎌や前年のマジカル★パンプキンヘッド各色を持っていれば、それらしいコーデで楽しめる事だろう。 偶然なのかもしれないがこの時期に注目を浴びたアニメは昨年の偽マフティーと同じあのロボットアニメシリーズかつ名前は「水星の魔女」である。 ハロウィン武装(2023) 2023年のハロウィン(10月16日10 00~11月6日10 00)限定配布武装。前年の「まじょっこ」衣装のカラーバリエーションでDEFとCHAに振ったピンク、DEXに振ったブルー、ATKと近接耐性に振ったグリーンの三色。 武器はそれぞれの色の「パンプキンハンマー(両手打撃武器)」。 時を同じくして前年及び前々年のハロウィン武装も復刻されているので、全部集めるのはとても大変。 環境では「まじょっこ」ブルーの低レアが、ジェム自動会収能力の高さから大暴れしている。 武装貴族 ぶそうきぞく。e-passカードを作る時に設定する事が出来るが、どういった人々なのだろうか? 謎は尽きない……。 武装淑女 ぶそうしゅくじょ。武装神姫の女性マスターの通称。 これも、e-passカードを作る時に設定する事が出来る。 武装紳士 ぶそうしんし。武装神姫の男性マスターの通称で、一番良く知られる。 勿論これも、e-passカードを作る時設定する事が出来る。 ただ、ここで勘違いしてはならない点は、武装紳士といっても必ずしもその全てが「紳士」であるとは限らないという事。 本来はあってはならない事のはずだが、武装神姫界隈にも「紳士」の風上にも置けないような振る舞いをする者は数多い。派閥作りからの神姫関連商品の買い占めや転売行為、揚げ足の取り合いや蹴落としあい、誹謗中傷などがこれにあたる。 そして対戦ゲームである以上、残念ながら本作のマスター層もこうした悪しき風潮と、決して無縁とは言えないのだ… だからこそ「紳士」とは自ら名乗るのではなく、その品格を持って人から呼ばれて初めて得られる称号なのだという事を心に刻みたい。 その意味で、アニメ版の理人さんは立派な武装紳士といえよう。 ヘイト管理 現在のジェム数・スキル・次の神姫から、自分がどれほど狙われやすいかを把握し、ジェム回収量や相手との距離を調整すること。 基本的に、終盤順位が高いプレイヤーやガンガン攻撃するプレイヤー、戦場に近いプレイヤー、強力なスキルを持っているプレイヤーが、よく狙われる傾向にある。 最終的にアクティブスキルで逆転したい場合は、こちらのスキルで逆転可能な範囲のジェム数差で2位以下に付くようにすると、ヘイトを抑えて上手く逆転する準備ができる。 自分の編成では倒しにくい神姫がいる場合、そちらに高い順位を取ってもらって他のプレイヤーに倒してもらう……という風に応用することも出来る。 また敢えて棒立ち無抵抗になるなどでヘイトを高め、順番調整を試みる場合もある。 ホワイトデー武装(2021) 2021年ホワイトデー期間限定武装(2022年にも期間限定で復刻)。別名「バレンタイン武装リペイントVer」。 その名の通りバレンタイン武装のカラーバリエーションでブルーとグリーンの2種類が存在するが、数値上の性能的にはオリジナルを総じて上回る。 但し、マスクステータスでは青はスキルゲージの溜まりアップが削除、緑は若干とはいえジェム回収展開速度が下がるペナルティが付与されてる為一長一短か。 対バグ補正についてはバレンタイン装備同様付与されている。 ホワイトデー武装(2022) 2022年ホワイトデー期間限定武装。基本的にはバレンタインクラシック武装のリペイント版(青・緑)だが、髪飾り「ホワイトデードーナツツイン」にはピンクカラーが追加されて3種類になっている(キャンディツインまたはツインドリルと、どれを選ぶかはお好みで)。 頭と足の装備で使えるアクティブスキル「お返しは私だけ!」は、「私のチョコだけ受け取って!」のデバフ効果をターゲットしている神姫にのみ掛かるようにしたもの。 特定の一人を全員で倒さないといけない局面なら、ターゲット以外の神姫の機動力はそのままなのでより強い効果を発揮できるだろう。 一方自分が逃げ切る局面だと一人にしか効果を及ぼせない+発動モーションがあるのでイマイチ。攻めきるためのスキルと割り切ろう。 また、「キャンディハンマー(両手打撃武器)」が武器として追加された。こちらにも青・緑の他ピンクが追加されており、バレンタインクラシック武装の「武器が存在しない」という問題を補完している。こちらのアクティブスキルは全方位攻撃。 ホワイトデー武装(2023) 2023年ホワイトデー期間限定武装。 基本的にはバレンタイン武装(2023)のリペイント版(青・緑)で、ジェムバトル寄りの性能も“見える”事もそのまま。名前は原典の「ビター」を「スイート」に変更している。 ただし、こちらは撃破時ではなく攻撃命中時に自動回収(青・緑共通)である為、より汎用性が高い。この効果は複数箇所装備すればより高くなるが、この武装シリーズ自体ジェム攻撃力に少しマイナス補正があるので、装備しすぎると却ってジェムが取れなくなるという罠がある。 よって、一式装備せずに1~2箇所くらいで抑えるといいかもしれない。 更に、釘ならぬ「ネジバット」が武器として追加。こちらはジェム自動回収能力はないものの、レアリティごとに色が異なる変則的バリエーションモデルとなっており、バレンタイン武装(2023)のカラーも含まれている。 ま [部分編集] 捲り ジェムバトルの勝ち方のうち、逆転されないようなタイミングに(特に攻撃・強化スキルで)ジェム数を変動させ、そのままゲーム終了を迎えるものの総称。 この勝ち方をしたいのなら、最後の神姫出撃時間〜スキルを使うギリギリの時間まで、自分チームは2位以下かつスキル1発で1位を追い越せるようなジェム数になるようジェム回収量を調整しよう。 まこしら ミズキの片手斬撃武器「忍刃刀"風花"(金)」とレッグ「忍脚絆"白鳳"」を装備することで発動できるアクティブスキル、「秘剣・真白拍子」のこと。 攻撃内容は目の前を一段攻撃で斬りつけるシンプルなもの。威力もかなり低いのだが、最大の特徴は恐ろしく早い発生。 スキル発動の表示が出るか出ないかのタイミングで判定が出るため、基本見てからだと対処が間に合わない。この特性から、特に初見殺しとして強く働く。 判定自体も横方向には神姫2〜3体分ほどあるので、格闘戦中の他プレイヤーをまとめて巻き込むことも出来る。 欠点は突進距離の短さと威力の低さ、また武器自体のスキル回収率の低さ。神姫1〜2人分しか踏み込まないので、近寄らないと打ちにくい。また威力が低いので、相手を撃破して撃破時の放出ジェムを回収しないと一発辺り4〜500ジェムしか稼げないこともザラ。装備と出撃順を工夫しないと低レアリティならろくに打てないこともある。 対策としては、まこしらを持っているプレイヤーがいるときはあまり密集しない(ジェムを一人占めしやすい状況を作らない)、打つことを読んで事前にガードしておく、体力に余裕のある状況で詰めてまこしらを吐かせる、まこしらで誰かが撃破される状況を作らないなどがある。 ちなみに「武装神姫BATTLE RONDO」では、長めの貯めの後踏み込み3回斬りつけるというアクションだった。 ちなみに上の記述は2回下方修正がなされたあとの話。元々は攻撃力も高く、武器のスキル回収率も高かった。 2022/08/03に3度目の下方修正をされた。巻き込みの範囲が狭くなり、攻撃力と武器自体のジェム攻撃力が低下。一人に当てただけだと150ジェム程度しか回収できなくなり、また慣性移動で飛び込んでスキルを当てることが難しくなった。 水着シリーズ グリアロ・シリーズから派生した、どこからどう見ても水着。 2020年夏実装の「悪魔の黒ビキニ」「天使の白ビキニ」に始まり、2021年夏には「キューティドットフリルビキニ」「キューティフリルビキニ」「スポーティストライプビキニ」「スポーティビキニ」「セクシークロスワンピース」「プリティフリルワンピース」、更にアニメ版から主役級神姫4人が着た水着がそれぞれ実装された。アームとレッグは同時期に実装されたネイキッドが良く似合う。レッグはグリムアロエの靴も良いだろう。 特筆すべきは、アニメ版"ヒナの水着"の派生版である「○○の水着」。なんとニックネーム(デフォルトなら神姫名)が胸に印字される紳士仕様。更にbodyサイズも反映される(オリジナルはヒナのbodyサイズ準拠) なお、日焼け肌になれるビキニ3種はミラージュ武装にあたる。 ミラージュ武装 レイドボスバトルにおいて、ミラージュ・シリーズを撃破するとドロップする武装の事。いずれも強力だが癖が強い。 公式曰く「ミラージュではないので本来の力は発揮出来ない(要約)」と公言されている。 + ジャンルとしてかなり巨大化したため、ここに折り畳む。 レイドボスバトル(第三回)にて2022/3/9より武器のみ実装されたのが最初。[W(ホワイト)]と[B(ブラック)]の二色で各色のミラージュを撃破すると対応した色の武装をドロップする。始めから出しとけよというツッコミは野暮か… リューベック・シュタインは一見太い槍に見えそうだがこん棒(両手打撃武器)である。こちらはアクティブスキルが[B]で両手打撃で唯一攻撃スピードアップが使える位で、大して特別感もなくごくごく普通で全方位攻撃が使えるキャンディハンマーの方が個性が立っている…と思われていたのだが、 お散歩モード実装による研究において白の場合NとR、黒の場合SRとURが見た目に反して叩きつけにインチキめいた広い横方向への攻撃判定が存在している事が判明。 ジェムバトルやレイドのWAVE1〜2では思わぬ巻き込みを狙えるポテンシャル自体はある様だ。 注目すべきはFB256 1.2mm滑腔砲二挺。元々は腰持ちヘビーガンである物を二挺持ちするという見た目のインパクトも凄いがなんとこの武装、[W]は元武装に同じく爆風が付き、[B]はボレアスよろしくレーザーが放てる。威力は流石に双ライトガン相応に抑えられているがどちらも元々は隙の大きい武装なので、それを双ライトガンのモーションで撃てるのは唯一無二であり、射程もボーンスナイパーライフル程度あるので、活かせれば強い。 但し、装弾数が4しかないのとリロードが他双ライトガンより若干遅いので注意。 第四回ではホワイトミラージュに代わって登場したナイトミラージュから「バルムンク(夜)」「ケイローン(夜)」のどちらかがドロップ(特に後者は本来プロキシマの装備であるため、彼女の参戦フラグとも推察されるが…)。 更に2022/06/08のアプデで「ナイトマント」が追加された。 ちなみにブラックミラージュは引き続き登場するため、第三回での“入手激渋問題”は解消されている。 第五回では新たに登場したサマーミラージュから、多彩な武装がドロップするようになっている。必見はピンク・青・緑と3種ある水着で、装備すると日焼け肌になるおまけ付き。 しかし、そもそもこのサマーミラージュ自体が前回のナイトミラージュ同様レア枠な上、全体的にコンテナの出現率が渋くなったため、装備集めがより苦行となってしまった(通常枠になったナイトミラージュのドロップが楽になったのは、せめてもの幸いか)。 第六回では実装当初はホワイト&ブラックミラージュ、アプデ後はサマーミラージュの装備を入手できるようになったが、他のレイドボスとの兼ね合い上出現率がどうしても低くなるため、特にサマーミラージュのドロップ品集めについては相変わらず苦行のままである。 第七回では新たにオータムミラージュが登場。これまた体操服装備をはじめ多彩な装備をドロップするので全部網羅するのは大変。 更にサマーミラージュがレア枠で続投となったはいいものの、こちらも相変わらずの苦行っぷりだったりする。 第八回に登場したバニーミラージュは、2023年正月のバニー武装のカラバリをドロップする(バニーガール武装を参照)。このミラージュ自体かなり煩わしい相手であり、苦行ぶりも健在。 第九回に登場したフレッシュミラージュは、春めいたワンピースとパラソルを中心にした武装を落とす。こちらも最初からなかなかの苦行ぶりだったが、2023/06/12のアプデで更にPink Ver.が追加されて苦行ぶりに拍車が掛かっている。 なお、ミラージュではないが第十回(復刻)に登場した大型バグ・オメガは、フレッシュ装備のYellow(前半)及びBlue Ver.(後半)を落とすが、もう一方のボスである闇神姫ばかりが出るような事もあったりするので、集めるのはやっぱり大変。 愛で専 公式による特定のプレーヤー層への呼称。字面から(神姫を)愛でる専門のマスター達と推測される。 武装変更によるコスチュームの着せ替えを楽しんだり、神姫ハウスでセクハラコミュニケーションを楽しんだり。フォト機能でお気に入りのショットを撮ったり…と、何もバトルで勝つばかりが全てではない。 神姫を扱うゲームの性質上、こういう楽しみ方もあるのである。 や [部分編集] 浴衣アーマー 2022年夏季限定武装。全身装備の「ゆかたアーマー」4種(爽・涼・葵・雅)と対応するヘッド装備「髪飾り」、片手斬撃武器「バトコンうちわ」3色からなる。 モーションにより浴衣の柄が著しく伸びる事もあるが、気にしてはいけない。 ちなみに「ゆかたアーマー」各種は、嘗てワンダーフェスティバル2010[冬]の折、実神姫用として公式販売されたもの(うちわと下駄も付属するが、塗装などの作業が必須となる。今ならバトコンうちわを作れるかも!?)。 横吸い 他のプレイヤー同士が争っている所に向けてジェム回収を行い、被弾・被撃破で放出されたジェムを他のプレイヤーに回収される前に回収する技術・戦術。 この戦術の強いところは、他プレイヤーに攻撃のリスクを一方的に背負わせて、自分はジェムを回収し勝ちに近づくことが出来る点。 CPU相手にこの戦術を取ってみると分かりやすい。他CPUの被撃破表示がどんどん出るにもかかわらず、自分の神姫はノーダメージで首位になることが出来る。 近接武器でも横吸いは出来るが、ある程度近づく必要があるため被弾リスクの軽減幅が小さい。一方、回収範囲が円形のため、近距離で横吸いした際のジェム回収量は射撃と比べてかなり大きい。 射撃武器は距離をおいてジェムを回収することが出来るため、こちらが攻められても時間を稼ぎやすい。しかし回収範囲が扇形のため、横吸いで回収できる量に関しては近接に劣りがち。 横吸い自体はどんな武器・編成でも行えるが、横吸いに特化した編成にすることも出来る。そうした場合の難点は、直接戦闘力に欠けるため徹底してロックオンされるか、それでなくても他プレイヤーに戦闘を控えられるとジェム回収能力が大きく落ちるところ。 N×3の編成は横吸いに重点を置いている可能性が高いので、相手取る時はある程度意識しておこう。 ら [部分編集] 零神 本来は「れいじん」と読む。しかし実装当時からプレイヤー間では「ぜろしん」と読ばれ、運営も「れいしん」と言ったりと、中々本来の名前で呼んでもらえない。 スカイガールズとのコラボイベント(2021.2/1~2021.3/31)中に配布された武器。 その実態はかなり特殊で、装備するとヘッドパーツから武器まで全て専用の武装に置き換わるというもの。これを装備中に他の武装を装備することはできないと、実装から現在までここまで大掛かりな武装はステクロ武装程度。 かなり特殊な武装が、近接タイプと遠距離タイプの二種類同時実装されたが、めでたくそのどちらも実装初日から環境トップを飾ったが、その後のひと騒動を経て現在はすっかり影が薄くなっている。 + その経緯はこちら まず零神本体の性能だが、まず圧倒的ダッシュスピードが挙げられる。空中を飛べば他の飛行リアの二倍近いスピードを叩き出す。現在はこれと同等かそれ以上のスピードは念入りに準備すれば出せるが、稼動して二ヶ月ちょっとのゲームバランスでこのスピードを武器一つ装備するだけで出せるんだから当然零神以外置いてけぼりになった。 機動力以外のステータスも優秀で、今でこそインフレによって相対的に平均クラスに落ちてしまったが、実装当時は(以下略) 肝心の武器も優秀で、まず近接タイプのMVソードだが、カテゴリ中当時最高クラスの性能を見たまんまの当たり判定で、超機動力で振り回しに来るのだから当然逃げ切れないし他の近接武器全てをお蔵行きにした。 ただ武器以外の性能は遠距離版と全く同じなので、ゲームシステム上遠距離版に全く対抗できなかったが、零神以外の遠距離武器には問題なかった。 そして遠距離タイプのアンチマテリアルライフルだがこれもご丁寧にカテゴリ中当時最高クラスの弾を、当時最長射程で、両手ライトガンの感覚で撃ってくるのだからそりゃ(略) しかも低いレアリティ程コスパが良い調整をされている&NNN編成がまだ強かった次代なので、倒してもたいして美味しくないとそりゃ(ry マスクステータスにマイナスがほぼなく、そのマイナスも被弾した際に出るジェムの量がかなり多いというもの。当たらなければどうということは無いができる零神にはあってないような調整で、当時は「零神に対抗できるのは零神のみ」とも大真面目に言われるほど。 さらに他の部位を内包してるシステム&武器カテゴリーなので、これ一つ強化すれば全部位強化されるというお財布にも優しい仕様(この仕様自体は現在も変わらずある)。 そんな実態なのでみんなこぞってプレイするが、これがまたイベント特有の超低ドロップ率かつ理論上レア度Nのアンチマテリアルライフル一択なので、当然入手できなかった大多数の人が零神に狩られる状況がしばらく続くことになり、持ってない→入手しに行く→零神に狩られる→低順位で報酬が少なく零神が手に入りにくいと負の連鎖。 「持って居なければ試合にすらならない」と大荒れ。 そんな中運営が「最強武装なので是非手に入れよう!」とtwitterで宣伝するもんだから軽い炎上騒動に。 それもあってか、まさかのイベント期間中に下方修正という自体に。火力面が大幅に下方されたので、せっかく手に入ってもただ速くて強化が楽なだけの武装と化してしまう。 さらにゲームのインフレや全体調整によるマスクステータスなどもあってより一層出番が無くなってしまい、過去の栄光も何処吹く風となってしまった。 ロケテストバージョン神姫カード 本稼動前に全国各地で開催されたロケテストにて「お迎え」する事が出来た神姫カード。 エーデルワイスを除く初期実装組の各レアリティが存在。枠のデザインはJAEPO限定プロモーションカードと同じで、イラストは現バージョンと微妙に異なる者がいる。 当然ながらこれも試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 ちなみにお迎え1枚の時は無料だった。ぶっちゃけこの仕様で良かったんでね?という声も… わ [部分編集] 英 [部分編集] AUTO COMに操作を任せるモードのこと。公式では「俺と神姫で戦うボタン」の略とされているどこが略なんだか。 バトル中いつでも画面左下から切り替え可能。 COMは基本的にNPCと同じ判断基準で動くが、ターゲットの指定、及びジェム回収はこちらから指示が可能。 神姫の種別ごとに大まかなAIの傾向が設定されており、ある程度の調整も可能である(詳細は戦術・テクニックの「AUTOボタンを活用してみる」の項にて)。 BAN 英単語としては「禁止」を意味する単語 ゲーム的には垢BAN、つまりゲームアカウントの停止として使われる事が多い。 同KONAMIのボンバーガールにおいてはゲーム内にも通報機能があり定期的に迷惑行為を行うユーザーへの警告、もしくは利用停止処分が行われた事を告知している。 本作においてはそういった処置を行った事が告知された事はない…が現在サブモニターには表示されていないものの規約文が存在していた事はあり迷惑行為は禁止されている為いずれこういった処置が行われる事があるかもしれない。 EXUR 限定プロモーションカード=EXUR。 性能としてはURと同等。ただし武装は当初から設定・固定されており、変更出来ない。 JAEPO限定プロモーションカード 2020年2月、JAEPOで配布された限定プロモーションカード。 すべてURでアーンヴァルMk.2、ストラーフMk.2、隠し要素でシュメッターリングの合計2+1種類が存在。 当然ながら試作仕様のため、本稼動バージョンの筐体で使用する事は出来ない。 LP 神姫の「体力」のこと(Life Pointの略?)。 数 1V 個体値1個付きカードのこと。 2V 個体値2個付きカードのこと。 5V 個体値5個付きカードのこと。ちなみに3Vとか4Vというのはない。 6V 個体値5個付きカードに稀に現れる、武装Costが+10されたカードのこと。 5Vと6Vは、表だけ見るならまったく同じに見える。識別するには、カードの裏面を確認する必要がある。 15th武器 武装神姫15周年記念として頒布されたアーンヴァル及びストラーフ用装備の専用カラーバリエーション。 2021年9月7日10 00~同12月24日09 59限定配布武装。 期間がそこそこ長かった事や、同時期に開催されていたレイドボスバトル(第二回)においては対バグ特効を持っていたためもあって、使用するマスターはそこそこ多かった。 レイドボスバトル(第六回)では何故かストラーフ側は特効付与され、アーンヴァル側は逆に下方されている。 その後目立った話は出ていなかったが、レイドボスバトル(第十回)では久々に闇神姫と雑魚バグ各種が(エラーと言う体ではあるが)復刻され、ほぼ時を同じくして復刻されたこちらの武装が再び脚光を浴びている。 [部分編集] は行以前はこちら>用語集 (あ~な)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/334.html
凪さん家の弁慶ちゃん 「義経、準備は良い?」 「…はい、TR-2全システムオールグリーン…いつでもどうぞ」 「おっけ!じゃあいくわよ!皆!」 「「「了解!」」」 凪さん家の弁慶ちゃん/0 「TR-2」 「アーサー、ハンゾー、義経、状況を報告!」 「アーサー異常なし!」 「…ハンゾー、問題ない」 「義経、異常ありません」 「よし、アーサー、ハンゾーはそのまま前進、義経はユニット展開後待機!」 「「「了解」」」 今回もうまくやってみせる。私はそう誓った。 今回は「T3」として私こと義経はこのリアルバトルのチーム戦に参加していた。 しかし今回の戦いでは指揮を担当するマスターは一人という制約が課せられている。 なので通常、早坂未来が私に指示をだすのだが今回は渡瀬美琴がチーム全体の指揮を取っていた。 この大会でアーサーはTR-1という強化ユニットを装備、これは陸戦型アーンヴァル、または量産型ストラーフといった感じの装備で、脚部はアーンヴァル純正装備にストラーフの脚部装備を移植、そしてストラーフのサブアームのマニュピレーターを汎用性の高いものに交換し長さを調節したものだ。 その手には奇跡の剣という名の剣が握られていた。 そしてハンゾーにもこのTR-1ユニットが搭載され、こちらはカロッテTMPを二丁装備している。 そして私はこの二人とは違う装備を身につけていた。 TR-2 これは高威力の超長距離射撃を行う事を目的に、現存する神姫純正武装でアッセンブルされたものだ。 脚部はストラーフの脚部装備をアーンヴァルのブースターなどで固め右腕にはアーンヴァルのLC3レーザーライフルが二門装着されている。 しかし使用するのは一門のみ、あとの一門はレーザーの増幅器として機能する。 背部には吠莱壱式が二門。これは攻撃用ではなく、あくまでも緊急移動用としての装備である。 いちいちブースターを吹かすより実弾兵器の反動の方が始動が早いのではないか…という目的で取り付けられたものだ。 本当にそうなのだろうか? そして各部アタッチメントコネクターにはヴァッフェバニー用の背部タンクやジェネレーターが装備され、そのすべてをレーザーライフルに直結させる事によって限界まで威力を上げている。 はっきりいって神姫用の装備としてはあまりにも特化しすぎており、これで神姫といえるのだろうかという疑問も生まれてくると言うものだ。 しかしこれが後に世に出る姉妹達への開発データになるのならば、甘んじて受けるとしよう。 「義経、TR-2装備完全展開完了」 「よっし!相手方に一発でっかいのをお見舞いしちゃいなさい!」 「了解!エネルギー充填開始…収束率増加、ロックオン完了…発射!」 ヒュオォォォォォォォォォォォォォォォォォォン… 砲身にエネルギーの渦が形成され ビャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!! 空気を切り裂く青白い光が照射された。 その太さは通常のレーザーライフルのものに比べるとはるかに図太く、禍々しい。 その光が敵チームを包み込み一瞬にして行動不能にした。が、何とか逃げ延びた神姫がいたようだ。 「どう?」 「右腕に衝撃による不具合が少々、でも予測範囲内です」 「わかった、次いける?」 「もちろん!」 「よし!じゃあ第二射!てぇー!!」 「了解!」 なんだ、楽勝ではないか。この装備初弾である程度敵チームを壊滅させれば第二射までアーサーとハンゾーが私を護衛してくれれば勝利は間違いない。 または右腕への損傷を最低限にするならばこのまま私は待機して、あとは二人に任せても良い。 「TR-2はほぼ成功ですね」 「ええ、中々良いわ」 「よし、第二射充填完了…いきます!」 ひゅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ… 再びエネルギーの渦が形成される。そして青い光が大地をえぐる… はずだった。 ビビー!!ビビー!!ビビー!! 「!?」 「義経!?」 ライフルの砲身部から異常。あまりのエネルギー量にライフルの許容限界を超えたらしい。 そのエネルギーの一部が逆流して、システムに過大な負荷を与えている。 「く、ライフルへのエネルギーを全カット!砲身切り離し、緊急離脱ブースター展開!」 ライフルからエネルギーの光が漏れる。その光が私を包もうと迫ってくる。 「!く…腕が…!」 「早く離脱しなさい!義経!?」 「そうしたいですが…無理みたいです。腕が挟まって…抜けない…」 崩壊を始めたライフルなどのパーツにより、私の右腕は付け根からがっちりと挟まっていた。 「あぁもう!!諦めるなぁ!!」 「くそ!くそぉ!」 こんなところでスクラップになってたまるか!! 「こうなったら…!!」 私は脚部に装備されていたナイフを手に取り 「うあぁぁぁぁ!!」 自らの右腕に突き刺した。 「っくぅぅぅぅ!」 なんという激痛か…しかし! 「まっけるかぁぁぁぁ!!」 バチィィィ!! 左腕で右腕を抉り、無理やり引き剥がした。 そしてブースターを噴射。瞬間ライフルユニットが爆発。その爆炎が迫り私を完全に包む。衝撃と高温で体が焼かれる。しかし間一髪スクラップは免れたようだ。 赤い光に包まれていた景色がドームの光りに照らされたいつもの景色に戻る。 ブースターはすべて焼ききれたようで噴射できない。 そのまま自由落下により大地に叩きつけられた。 ドッザァァァッァァァ!! 「ぐぅぅぅがはっ!!うが、あぁ…くぅ…」 状況は芳しくないな…右腕破損…頭部に損傷…両脚部損壊…か…まぁAIに以上は無いようだ…。でも戦闘は無理だな…。とりあえず活動限界か…。 『ピピーピピーピピー試合中止、試合中止』 ドーム内に響く音声、私の意識はそこで切れた。 「む…」 充電完了…各部異常なし…生きている…のか 「…つね!よしつ…!!義経!」 「く…未来…?」 私の目の前にはマスター、早坂未来の顔があった。 「起きたぁ!」 「義経!」 「…起きたか」 「…ふむ」 「おぉ!」 「う…う~ん…!?」 「気付いた?その体」 「頭部形状…それに右腕が…これは…」 「アドバンスドユニット」 その声の先には渡瀬美琴。 「?」 「衝撃対策として右腕間接を汎用強化間接ユニット「リボルバージョイント」に換装、そして頭部ユニットを換装して情報収集能力を上げたの。本当はバイザー式にするつもりだったのだけど、損傷がひどかったから丸ごと換装したんだけど…どうかしら?合わなかったら既存パーツに交換するけど」 アドバンスドユニット…体に施されたマーキングライン以外は既存の素体であった私の体が…強化された? 確かに視覚ディスプレイに追加された項目がある…これは今後装備されるTRシリーズのためか…?それに右腕…今回の戦闘での意見がフィールドバックされたのだろうか…。 「合わないかな?」 「いえ、そんな事はありません」 「そう、よかったぁ~」 「それに合わなかったら合わせます。それが私です」 「ふふ、そうね。まぁ今日は一日ゆっくりして慣らしていって」 「はい、分かりました。ありがとう、美琴」 「はいな、んじゃまた明日」 「ええ、また明日」 「有難うございました、先輩!」 未来が美琴達にぺこりとお辞儀した。 そういえばここは…あぁ部室か…。 明日からまたさまざまな装備を試す毎日が始まる。武装…決まった装備が無い私にとっては毎回毎回ワクワクする時だ。 そりゃ今回みたいな危険は常に付きまとう。 しかし誇りに思う。 私に装備された物がブラッシュアップされ、次の世代の神姫の武装になる…。 そんな特別な関係性に…。 渡瀬美琴は既存部品を組み合わせて新たな武装を作り出す優秀な装備開発者だ。 そして神姫開発の上層部に父親がいて、武装神姫の初回モニターでもある未来…。 私に装備されたものは情報として逐一開発部に送信される。 今回のTR-2がどうなるのかは分からないが…。 この時、砲撃用に特化した装備…という部分が後のフォートブラッグへと繋がることは私達はまだ知らない。 知る事になるのはTR-5が開発され、新たな仲間、弁慶が来てからの事である…。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1701.html
霧に包まれた公園に爆音が轟き、何本もの水柱が上がる。 その上がった水柱を避けるようにアメティスタは泳いでいた。 「・・・ちょこまかと!」 ルシフェルは両腕のリボルバーキャノンを連射し、アメティスタを捉えようとするが水に入った彼女にあたるわけも無い。 撃ちつくし、即座にリロードし池・・・というよりは湖を見る さっきからアメティスタは逃げ回るだけで何も攻撃をしていない。それは単純に彼女の武器がプチマシィ~ンズしかないからなのだが・・・ルシフェルはそれに気づかない。単に腰抜けなだけだと考えている。 「攻撃してこないなんて・・・一体ここに何しに来たの?」 ・・・・・戦いに来たんだけどね 池の底で、アメティスタはそう考える。 今、彼女は弾丸の届かない水の中でバックパックから取り外したコンソールを弄っていた。その顔は悪戯好きな子供のようだ。 彼女は水に入る前にバックパックを陸に置いて来ている。よって今の彼女の武装は遠隔操作のプチと手に持ったコンソールだけだ。 ・・・普通の神姫ならすぐに負ける貧弱な武装だろう。普通の神姫ならば。 しかし彼女は、ある意味において他の神姫とは一線を記す戦闘スタイルの保持者であった。 他の神姫が戦闘員ならば、彼女は徹底した非戦闘員だ。 ・・・うん、こんなものかな コンソールのキーに何かを打ち込んでいたアメティスタが顔を上げる。 日の光が落ちてくる、ゆらゆらと揺れる水面の向こうにはルシフェルが不機嫌な顔で銃を構えているのだろう。 アメティスタはその表情を想像して少し笑う。 ・・・・さぁ、行こうか そうして彼女は、水面へ向けて泳ぎだした。 ホワイトファング・ハウリングソウル 第十四話 『視覚素子は嘲う』 ルシフェルは自分の身に何が起きたのか理解できなかった。 水面を狙っていたら、いきなり右側からの銃撃を受けたのだ。 「――――――っ!?」 自らの背の羽根でその全てを防いだが、動揺は抑えきれない。 アメティスタは水から上がっていないし、プチマシィ~ンズだとしたら火力が強すぎるのだ。何よりアメティスタは全く武装していなかった。唯一背負っていたバックパックだって今そこに放置されている。そうすると・・・・今の攻撃はいったい誰が? 「・・・・彼女のお友達、じゃなさそうね」 ここに来る前から彼女は周囲に気を配っていた。もちろん公園の周囲に配置されたプチには気づいていたが動いていないため無視した。まさかそれでは・・・否、それはない。ルシフェルの頭部に取り付けられたアンテナは先程から敵の姿を捉えてはいない。霧のせいで見づらいが、肉眼でも敵の姿など見えていないのだ。 「・・・・だったら、今のは一体?」 と、彼女の正面にいきなり人影が現れる。 反射的にルシフェルは銃を捨て、思いっきり殴っていた・・・が 「!? 手ごたえが・・・!」 殴った瞬間、人影は霧散する。 するとすぐに右側に人影が現れ、ルシフェルは残った左の銃で人影を撃つ。しかしまたも人影は霧散する。 今度は左に現れ、銃を向けるまもなく斬りつけられる。辛うじてチーグルでそれを防ぎつつ右手で相手を殴るも、また霧散する。今回は辛うじて紫色の髪が見えたが・・・・ 「幻影!? でも斬りつけられた・・・なんなのこれ!?」 「傷つけようのない敵。避け様のない攻撃。心の奥に潜む獣。・・・そういうものだよ」 背後からの声にルシフェルは腰のデスサイズを引き抜き振るう。 その死の鎌は確かに背後にいたアメティスタを両断した。・・・はずだった。 「酷いな。いきなりこんな事されたらびっくりしちゃうじゃん」 地面に倒れたアメティスタが平然と言う。 腰から両断されたにも拘らず彼女は痛みを感じていないようだった。 「いくらなんでも出鱈目すぎる・・・・! なんなのよアンタ・・・!!」 左のリボルバーキャノンをアメティスタに向け連射する。 跡形もなくなったアメティスタに、ルシフェルは僅かに安堵する。・・・するのだが 「―――――――――ッ!?」 今度は真後ろから、“アメティスタ”に斧で斬りつけられた。 防ぎきれずにダメージを負うがルシフェルは即座に距離をとり、銃口を向ける。 その瞬間今度は左から斬りつけられ銃を落としてしまう。 「っ! なんだってのよ!!」 痛みを堪え翼でなぎ払う。 その瞬間右側から斬りつけられ傷を負う。 これ以上のダメージを避けるためにルシフェルは黒い翼をはためかせ、空へと逃げる。 流石にアメティスタはもう負ってはこなかった。 「(ちくしょう・・・! なんなのよ。瞬間移動でもしてるっての!?)」 考えられる可能性は二つ。 一つは純粋にアメティスタの移動速度が異常な場合。しかしこれは彼女の脚部が陸上移動にむかないことから却下される。そうなると唯一残った二つ目の可能性、それは・・・・ 「・・・まさか、もう一人いる!?」 そう、そう考えればつじつまが・・・合うわけもない。 初めに倒した人影は手ごたえがなかったがそれ以降は確かに手ごたえはあった。そうなると確かにもう一人くらいはいてもおかしくはないが・・・・それにしたって全方位からの攻撃をするには人数が足りなさ過ぎる。なによりこのバトルは二対二で行われているのだ。これ以上人数が増えることは無い。 となると、一体・・・!? 「残念。時間切れだよ」 後頭部から、いきなりの衝撃に耐え切れずにルシフェルは地に叩き付けられた。 「ガ――――――ッ!?」 ルシフェルは思わず叫ぶ。全身を強く打ち立ち上がることも出来ない。 「もう少しおりこうさんだったら簡単に気づいたかもね」 地に伏せるルシフェルの顔を、池のほとりに座っているアメティスタが覗き込んだ。 「あ、あんた・・・!」 「おっと。もう攻撃するのは止めてよね。するだけ無駄だからさ。・・・うん、実際キミは強かったよ。まともに戦ったら負けてたのはボクだ」 アメティスタはそういってルシフェルのリボルバーキャノンを拾う。 小さな彼女の手には明らかに不釣合いな代物だった。 「・・・結構重いねこれ。さて、それでは最後に手品の種明かしをしましょう。ボク達は機械かな? 人間かな?」 「・・・機械、だろ」 「当たり。さてここでボクはもう一つ質問をしよう。ボク達の頭には何が詰まっている?」 その問いにルシフェルは僅かに考える。 「・・・・・機械が詰まっている。人間の脳に近い動きをするためにね」 その答えにアメティスタは満足そうに笑う。 「その通り。でもさ、機械である以上、セキュリティは万全じゃないよね。コンピューターもそうだ。ネットにアクセスすればいつだってウィルスの脅威に曝される」 「ウィルスだって? わたし達は・・・まさか」 「そのまさか。最初の攻撃でキミにウィルスを仕込んだのさ。・・・キミの目、盗ませてもらったよ」 そういってアメティスタはコンソールをかざす。 そこに表示されているプログラムは『インターセプター』。感染者の視覚情報に入り込み、幻影を見せたり特定のものをそこに無いかのように見せるウィルス。そして一番重要な点は、このウィルスに感染したものは“幻影と現実の区別がつかない”点にある。 つまり・・・・ 「最初に幻影だと思ったのは半分正解で半分間違い。たしかにインターセプターは幻影を感染者に見せるけど、同時に幻影と現実を同期させる。切られれば痛いし撃たれても痛い。でも・・・・痛いだけで、キミの体は無傷だよ。さっきの落下以外はね」 ルシフェルは目だけを動かして自分の体を見てみる。 そこには切り傷なんて微塵も無い、綺麗な体があった。 「・・・最初から・・・わたしを叩き落すつもりで・・・?」 「そゆこと。プチは霧だしてただけだしバックパックはただの中継ステーション。キミがボクと戦って勝ちたいなら、バックパックを破壊するか公園を爆撃でもすればよかったんだ。・・・・さて、ここまで来てボクは銃を撃つつもりはない。降参してくれないかな?」 アメティスタはそういって微笑む。 その手に握られたリボルバーキャノンはよく見ると細かく震えていた。 このくらいなら・・・ルシフェルは一瞬考えるが、銃口が避けようのない距離で突きつけられているのを見て考えるのをやめた。 「・・・・降参だよ。まさか戦わない武装神姫がいるとはね」 ルシフェルのその言葉共に、彼女の体はデータの塊になって消えた。 前・・・次
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1356.html
戻る 先頭ページへ 「けーくん!」 薄暗いそこに、初めてまともな光が射し込んだ。 半壊して片方が開かないドアをくぐりぬけ、孝也は切羽詰った様子でバトルマシンに駆け寄った。 「……何しに来たんだよ」 恵太郎の声を無視した孝也は、それを見て絶句した。 「間に合わなかった……!」 孝也がそう呟いたのとほぼ同時。ずるり、とアンクルブレードがアリスの手から抜け堕ちた。 武装神姫の心臓たるCSCを白刃によって貫かれたナルは、眠っているように目を閉じている。 それでいて、その表情は何とも幸せそうだった。 「けーくん、何でこんな事をっ!」 孝也は普段の様子からは考えられない剣幕で恵太郎を捲し立てた。 しかし、それが応えた様子も無い。 「お前には、関係無いだろ」 そう冷たく言い放った恵太郎に、孝也が思わず掴みかかった。 「関係無くないだろ!……君島さんも、何でこんな事を! こんな事したって何も……」 「孝也」 初めて、恵太郎が感情を表した。 「お前が口を出す筋合いは無いんだよ」 寒気がするような、虚ろな威嚇。 それは恐怖では無く、哀しさを植え付けるような威嚇だった。 「……何も、知らない人が、口を出さないで、下さい」 君島の言葉もまた、虚ろな感情が籠っていた。 「……アリス」 「……うん」 会話とも言えない一瞬の会話。 アリスはカーネリアンの亡骸を一瞥すると、君島の肩に飛び乗った。 「君島さん……!」 孝也の声を無視し、君島は壊れたバトルセンターを後にした。 残されたのは恵太郎と孝也と、ナル。 「……孝也、先帰れ」 恵太郎は孝也の腕を振りほどくと、ナルから目を逸らすように背を向けた。 「分ったよ」 そう言った後、孝也はナルの頭を軽く撫でた。 その後は、恵太郎に何も言う事無く真直ぐに出て行った。 ただ一人、ナルを前に恵太郎は立ち尽くした。 「……ただいま」 おかえりなさい、マスター。 普段は聞こえる筈の声が、もう聞こえない。 マスター、今日は少し暑かったですね。 普段は見える筈の姿が、もう見えない。 マスター、またコンビニ弁当ですか。 俺の食生活を案じる声が。 マスター、洗濯物はこまめに洗わないと後が大変ですよ。 俺の生活態度を戒める姿が。 マスター、明日は自分で起きてくださいね。 俺の早起きを促す声が。 マスター、もう朝ですよ。 俺の目覚めを促す姿が。 マスター、今日もがんばりましょう。 もう、無い。 マスター、今日の講義はフルですよ。 大学に行っても。 マスター、たまには野菜も食べましょう。 食堂に行っても。 マスター、講義は真面目に聞かないと。 講義に出ても。 マスター、立ち読みは駄目ですよ。 本屋に入っても。 マスター、次の駅で降りますよ。 電車に乗っても。 マスター、今日は何処に行くんですか。 もう何処にも、いない。 「……何の用?」 大学校舎の屋上は今が昼の休みだというのに人影は無く。 いるのは恵太郎と君島と、そしてアリスだけだった。 「……聞き、ました。大学を、辞める、そうで」 あれから―――ナルが死んでからもう一週間も経っていた。 「ああ、うん。そうだよ」 手すりに靠れかかりながら恵太郎は座っている。 「何で、ですか」 恵太郎から少し離れた所に、君島も座った。 「……神姫を持ってない人間は、ここには必要無いだろ」 空を、見上げた。 どこまでも青い空。そこに浮かぶ白い……まっ白い雲 「新しい、神姫を、買わない、んですか」 君島のとなり、恵太郎のとなり、二人の真ん中にアリスは立っていた。 「新しい神姫、か」 ふと、恵太郎がアリスを見た。 ナルと同じ、悪魔型。 「……」 恵太郎の指が、アリスへと伸びた。 君島は、それを横目で眺めている。 指が、アリスの頬に触れかけた瞬間。 アリスは一歩後ずさった。 「……一応の予定は、ね」 恵太郎は、暫く自身の指を眺めた後、手を頭の後ろで組んだ。 「……辞めたあと、どうする、んですか」 君島は、アリスから恵太郎へと視線を移した。 「どこか、遠くに行きたい」 恵太郎は、目を細めた。 「遠く、ですか」 君島は、ただ恵太郎を見ていた。 「……部屋が、広いんだ」 唐突に、恵太郎は言った。 「……ええ」 しかし、君島は特に反応しない。 「ナルが、いない。たったそれだけなのに、部屋が広く感じるんだ」 恵太郎は、空を仰いだ。 涙が溢れない様に、空を見ながら続けた。 「それだけなのに、世界が冷たいんだ……君島、お前もそうだったのか?」 空を見ながら、恵太郎は問いかけた。 「……ネリネが、いない、世界は、地獄」 一瞬の間を置いて、君島は答えた。 「その地獄は、まだ、続いて、ます」 アリスを優しく撫でながら、君島は続けた。 「カーネリアンを、殺せば、それが終わる、と、思ってました」 恵太郎は、空を仰ぎながら耳を傾けている。 「やっぱり、地獄は、終わら、ない。あなたも、それを、味わえば、良い」 深い憎悪の籠った声。 そして、底なしの虚しさが混じった声。 「……可笑しな、話です」 ふいに、君島が空を見上げた。 「ネリネを……神姫を、ただの、道具、扱いしていた、人が、それを、失った、ことで、泣く、なんて」 薄く、君島は哂った。 「……質問は、次で、最後、です」 前置きを置いて、君島は続けた。 「あなたが、殺した、のは、ネリネ、だけ、じゃない。他にも、神姫を、殺して、いる……どうする、つもり?」 一瞬、恵太郎の表情に影が刺した。 「それも、もちろん分ってる。というか、そのつもりで慣れないテレビにも出たりしたんだけどね。君島以外、誰も来なかった」 「……次に、復讐しに、来た、人にも、同じ事を、するんです、か?」 「その、予定」 日が、翳った。 「……あなたが、それを、罪滅ぼしだと、思ってる、なら、大きな、間違い」 君島の表情から、感情が消えた。 「復讐に、来る人、は、神姫を、本当に、愛する、人。そんな、人が、神姫を、殺す事で、満足は、しない」 その言葉に、恵太郎は固まった。 「それは、あなたの、自己満足」 恵太郎は、力無く呟いた。 「他に……」 だが、君島は構わず続ける。 「何も。あなたは、なにも出来ない。しては、いけない。ただ、苦しみながら、生きていく、だけ。懺悔も、贖罪も、あなたには、許されない」 そして、最後に言った。 「あなたは、私に、神姫を、殺させた。あなたは、一体、どれだけ、馬鹿なの」 恵太郎は、暫く俯いたままだった。 「他に……考え付かなかった」 虚ろな声で、言葉を吐き出す。 「俺は、どうすれば良かったんだ……」 しかし、その言葉に君島は答えなかった。 その沈黙が、答えだった。 「……あの時点でマスターが神姫から足を洗えば良かったんじゃないですかね」 「それだと、君島達に対してどうすれば……」 「さっきも、言った、筈です。あなたは、何も、出来ない、と」 「では、額を地面に擦り付ける程の土下座は?」 「その程度で済む問題じゃ……」 「謝る、方は、それで、気が済む、でしょうが、私は、そんな、事では、許しません、よ」 「では、残った人生で全ての神姫とそのオーナーを幸せにするというのは」 「……無茶苦茶な」 「それくらい、の、覚悟、ということ、です」 「やはり、こういう事はマスター自身が見つけなければダメですね」 「……見つけられるかな。もう、ナルだっていな、い……?」 「……!?」 その瞬間、ようやく恵太郎と君島とアリスは固まった。 そこに居る筈の無い存在。 そこに居てはいけない存在。 そこに居るのは。 「……ナ、ル?」 「なんですか、マスター。まるで幽霊を見たような顔をして」 アリスの横にちょこんと座った白髪赤目のストラーフ。 彼女に視線を釘付けにしながら、そこにいる誰もが驚愕の表情を顔に張り付けていた。 「……な、なんで。確かに、アリスが、殺した、筈、です」 「……CSCを、刺した、のに?」 硬直しながら、君島とアリスは顔を見合わせた。 そして、次に恵太郎の方へと視線を移した。 「待て、待ってくれって。俺も何がなんだかわかんねぇって!」 思わず素が出た恵太郎の言葉に、嘘は無い。 そんな三者三様の対応を受けながら、ナルは平然と口を開いた。 「まぁ、私もあの時は死ぬかと思いました」 「確かに、殺した」 ナルの能天気とも取れる言葉に、アリスがすかさず反応した。 「ええ、そうです。確かに、貴女は私のCSCを貫きました……タネ明かしは張本人に説明して頂きましょう」 まるで、示し合わせたように屋上に表れたのは高野孝也その人であった。 「……こ、こんにちは~」 空気が、凍った。 「孝也……お前、何をした」 その直後、ゆらりと立ち上がった恵太郎は静かに言い放った。 そして、ゆっくりと孝也に向って近寄った。 「せ、説明するから落ち着いてよ、ね?」 その言葉に素直に従ったのかは不明だが、恵太郎は手すりに身体を預けた。話を聞く体勢だ。 それを確認した孝也は、とりあえず胸を撫で下ろすと、咳を一つ。 「結論から言うと、クリスの力なんだ。君島さんは知らないだろうから簡単に説明するね。僕の神姫、トリスには専用装備としてナ・アシブっていう外部装甲がある。それに搭載されているシステム・ニトクリスはナノマシンによって神姫をハッキングして、感覚をかく乱するシステムがある」 そこまで聞いて、恵太郎は事の顛末を半分ほど理解した。 「……アリスをハックして、ナルを殺したように錯覚させた?」 「そんな、事が、可能、なのです、か?」 君島はアリスを見ながら呟いた。 当のアリスも信じられない、と言った様子で目を白黒させている。 「ジュピシーやジルダリアの武装を原理は似た様なものだよ。やっぱりトリスとクリスの力だけじゃそこまで完璧なハッキングは出来ないからね。ロンとトロンベにも手伝って貰ったよ」 神姫三体の演算装置を用いて行われた神姫に対するシステムハッキング。 それが、ナルが生きているタネ明かしだと言った。 「……待て、俺も君島もナルが刺される所を見ていたぞ。システム・ニトクリスは人間もハッキング出来るってのか?」 「システム・ニトクリスで出来るのはハッキングだけじゃないよ。ナノマシンを使った光学迷彩だって出来る」 つまりは、システム・ニトクリスによってアリスをハックしつつ、バトルマシン周囲を光学迷彩で覆い、さもナルが刺されたかのように見せかけた。 そういう、事だ。 「……じゃあ、これは何なんだ」 恵太郎は懐から掌大のケースを取りだした。 そこには胸が破損したストラーフが入っていた。 「ダミーだよ。先輩達に作って貰ったんだ。現場でね」 そこまで聞いた恵太郎は、脱力して地面にへたり込んだ。 「アリス。ハッキング、されて、いたの、に、気付き、ました?」 「全然」 アリスは、自らの掌を見つめた。 カーネリアンのCSCを貫いた感触がこびり付く、その掌を。 「何でだよ」 強く、強がろうとする声が恵太郎から洩れた。 「何で、こんな事したんだよ……」 「……けーくん。けーくんがアリカちゃんを止めたのと、同じ理由だよ」 その言葉は、暗に恵太郎を否定していた。 「けーくんの考えてる事は贖罪じゃない。君島さんの言う通り、ただの自己満足だよ」 「お前に……何が分るんだよ」 「分るよ。あら方、神姫を好きになって、神姫を好きな人の気持ちを理解して、それで神姫を殺される人の気もちを理解しようとしたんでしょ? 伊達に生まれた時から一緒にいないよ」 「……じゃあ、何で俺を止める」 「何度でも言う。けーくんは間違ってる。けーくんがやった事は、神姫が好きな人に神姫を殺させる、そう言う事だ」 「それ、は、私が、言い、ました」 「……とにかく、けーくんがした事は間違ってる。それだけは言える」 そこまで聞いた恵太郎は、空を眩しそうに見つめた。 「他に……考え付かなかった」 「けーくん。けーくんはどうかは分らないけど、僕はけーくんの事友達だと思ってる。僕だけじゃない。裕子先輩も、裕也先輩も、茜ちゃんも……それに、アリカちゃんも」 そこで、一旦孝也は言葉を区切った。 「だから、もっと僕たちを頼ってよ。一人で考え付かないなら、皆で考えようよ」 孝也は笑って言った。 でも、その笑顔は恵太郎には眩しすぎた。 「……アリス」 君島の一声で、アリスは彼女の肩に飛び乗った。 「聞きたい、事も、聞け、ました、から、私は、失礼、します」 その後ろ姿を見つめがら、恵太郎は暫く逡巡していたが、結局、何も言えなかった。 「孝也、さん?」 校舎へ続く扉の前で、ふと君島は立ち止った。 「私も、アリスも、神姫を殺さずに、済みまし、た。ありがとうございます」 「……うん」 「倉内……さん。私は、もう、疲れました。だから、もう、私の目の前の、現れないで」 それだけ言うと、君島は答えを聞かずに立ち去った。 恵太郎と孝也と、ナルの間に沈黙が漂った。 「……孝也、話はもう終わりか」 「まだだよ」 そう言うと、孝也は校舎へ続く扉の中に首だけを突っ込み、何かを招く動作をした。 それから間もなく、屋上にアリカが表れた。 「じゃあ、僕は下で待ってるよ」 「マスター、私も」 孝也とナルはアリカと二三言葉を交わすと屋上から立ち去った。 「……師匠、隣いいですか?」 少し戸惑いがちな、それでいて強い意志の込められた言葉に、恵太郎はただ頷く事しか出来なかった。 恵太郎の隣に腰を下したアリカは、間髪入れずに口を開いた。 「師匠、私は……」 「アリカ」 しかし、それは恵太郎の一言で止められた。 気まずそうにするアリカを余所に、恵太郎は言う。 「お前、聞いてんだろ。俺の事」 「……はい」 その問いに、アリカは素直に答えた。 「……俺には、師匠なんて呼ばれる資格、無いよ」 空を見つめ、雲を見つめ、何処かを見つめる恵太郎の言葉が、虚しく響いた。 「俺には、人に好かれる資格なんて、無いよ」 その言葉は、アリカだけに言ったのでは無く、恵太郎の知人全員に当てた言葉だった。 「だから、さ」 次の言葉は、アリカにとって最も聞きたくない言葉で、恵太郎にとって最も言いたくない言葉だった。 「俺を……」 「師匠!」 今度は、アリカが止める番だった。 「人が人を好きになるのに、資格なんているんですか!? 私が師匠を師匠と呼ぶ事に、何の資格がいるんですか!? 師匠は、私とトロンベを救ってくれたじゃないですか!? それで、私には十分です!」 半分、悲鳴にも似たその叫びは、人のいない屋上に響き渡った。 「だから……師匠を好きな事は、許してください……」 消え入りそうなか細い声、それでいて耳に残る不思議な声。 しかし、恵太郎は空を眺めたまま、口を開いた。 「……アリカ、一人にしてくれないか」 「嫌です」 「こんな顔してんの、見られたくないんだよ……!」 「じゃあ、下向いてます」 それから数分、恵太郎は静かに泣いた。 「……アリカ」 「はい」 「お前の気持ちは、嬉しい。今まで、誰かにそういう風に言われた事無かったから」 「はい」 「でも、今はまだ、答えられない」 「……はい」 「だけど、絶対に答える。だから、少しだけ待っててくれるか?」 「はい……師匠」 それが、アリカの聞いた恵太郎の最後の言葉だった。 「ナル、久しぶり……かな」 「そうなりますね、マスター」 「俺、お前を二度も殺しちゃったんだな」 「三度目は無いですよ」 「ナル、俺はどうすればいいんだろうな」 「それをこれから探しに行くんでしょう、マスター」 「……ナル、一緒に来てくれるか?」 「イェス、マスター。何処までも、何時までも」 そして、恵太郎は姿を消した。 戦う神姫は好きですか 終
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/598.html
「武装神姫のリン」 第17話 「花憐」 「ぶっふぇぇ!!!」 今日はリンの2回目の"誕生日"、それでリンにプレゼントに何がいいか聞いてみた。 その返答に対する俺の反応が上のモノだ。 思わず下品にも口に含んだものを吹き出してしまった… そのリンの返答っていうのが、 「子供が欲しいです」 うん、俺の反応は間違ってないはずだ。 茉莉も口をポカンと開けるばかりでティアもさすがに閉口している。 「…リン。判ってるよな? 子供って…」 「あの、私そんなに変なこと言いましたか? マスターが子供に相当するパーソナリティを持つモデルを買ってくれるって言ったじゃないですか。」 しばしの沈黙。そして… 「もう、亮輔のバカ!!!」 茉莉の思い切りのいいビンタを頂戴した俺であった…orz そして数時間後、俺たちはエルゴの店頭にいた。 頬を腫らしている俺を見て苦笑しながらも店長はかねてからおねがいしていた"頭身が低い素体"と"成長速度鈍化""子供思考"のCSCを棚から出している。 「ヘッドユニットはストラーフでいいのかな?」 素体とCSCを接続した店長が聞いてくる。 「はい、それでおねがいします。」 俺ではなく、リンが返答する。 「そういえば…ちょっと提案があるんだけど。」 「どうしたんですか?」 「あのね、今度から神姫の髪の色を変えるカスタムのサービスを始める予定なんだけど、この子にモニターっていうか、なんていうか試しにやってみないかい?」 「リン、どうする?」 「私が決めるんですか…じゃあお願いします。さすがに全く自分と同じ顔というのは気になるので」 「わかりました、で何色がいいのかな? 好きに選んでくれていいよ」 そういって髪の色のカタログやら見本をリンに渡す店長。 見ると茉莉やティアもカタログに見入って、話しをしている。 「ちょっと、亮輔君」 その隙をみて急に店長が俺に言い寄ってくる。なぜか俺だけに話したいことがあるらしいが… レジ裏にしゃがみこんだ俺と店長。そして店長は俺にものすごい小声でこう言ってきた。 「あれってリンちゃんのプレゼントだよね?」 「そうですけど、子供が欲しい…自分で世話をするからそういう子供に相当する神姫が欲しいって」 「たぶん前代未聞だよ、母親になる神姫だなんて…まあそれは置いといて。もう1個プレゼントになりそうなものが今、ウチにあるんだけど、どうかな?」 「物を見せてくれないとなんだかわからないんですが…」 「ふれあいツール"赤ずきんちゃんご用心"って言えばわかるだろう?」 「プ…ッ(必死に吹き出しそうになるのを押さえる音)」 「あれがね~幸運にも手に入ったんだよ。結構競争率高いらしいんだけどね。」 「で、俺とリンにですか?」 「うん、リンちゃんにもそろそろ"ホンモノ"の感触を知ってほしくないかい?」 俺の脳裏にピンクな景色が一瞬広がる 「…ホントに商売上手ですね、店長。」 「じゃあ買う?」 「ハイ。」 「じゃあがんばってね」 「あの、それっていうのはどういう意味で?」 「さあ~どっちだろうw」 そんな感じで商談が成立した。 そして何も無かったかのようにリンたちの所に戻る。さっきまでのことは忘れよう、ウン。 「決まったか?リン」 「あっ、マスター。いちおう決まったといえばそうなんですが…」 「じゃあ言ってみろ」 「黒はイヤですか?」 「なんで?リンが好きならそうすればいいだろ。」 「だって、マスターって金髪好きそうなんで…」 そうして茉莉の方を見るリン。 くそ、そんなにカワイイ表情しないでくれ…さっき想像したことが再び頭の中に浮かんでくるのをかき消して返答する。 「はは、そんなこと気にするなよ、もし俺とリンの子っていうなら黒でいいんじゃないか?」 「じゃあそれで、店長。黒でおねがいします」 「たしかに承りました。処理に5分ぐらい掛かるから待っててくれるかな?」 「はい、じゃあその間に料金払っときますよ、で合計でいくらですか?」 「うん…基本のセット料金に素体の特注のライセンス料、黒髪は特別料金だけど今回は割り引きで…しめて…この値段だね。」 まあ予想通り"それっぽい名目"で書かれた料金票を見る。 うん、この値段なら予算の範囲内だ、微妙に余計な費用が加算されたりはするが…今回はジェニーさんのレジを通すわけには行かなかった。 レジと接続した状態のジェニーさんにはそういう偽装は通用しないことは以前のことで知っていた。 だからこそ、店長に直接料金を支払うのだ。物はあとで取りにいくとしてもこれだけは回避しなければならなかった。 そうして支払いを済ませて待つこと数分。艶やかな黒髪のストラーフが俺たちの前に横たわっている。 CSCは先ほどのもに加え、"おしゃれ"を選択。これはリンの提案だった。 CSCおよび素体、ヘッドユニットのチェック完了。リンの娘である神姫が起動し、ゆっくりと瞳が開かれた。 「…う~ん、眠ぃ…」 第一声がコレだった。やっぱりCSCの特性が関係してるんだろう。とりあえず俺がまずはマスター登録をする。 「藤堂 亮輔をマスターとして登録しましたぁ~で呼びかたはどうしますかぁ?」 「お父さん、だ。」 「……お父さん…お父さんですねぇ~判りましたぁ…むにゃむにゃ…」 今にも寝そうな彼女を必死に起こして言う。 「まだ名前をあげてないだろ、キミの名前は花憐だ」 「花憐…カワイイ名前です~こんな名前をもらえて花憐はうれしいです。」 名前をもらえたことがいい刺激だったのか、眠そうだった花憐の目に光が宿ったように感じた。言葉遣いも安定してきた。 「それは良かった、それで…この子がキミのお母さんのリンだ。お母さんの言うことはちゃんと聞くんだぞ~」 「はい~わかりました」 そうして 花憐はくるっと回転して、リンに向き合う。 「お母さん よろしくおねがいします。」 「ええ、花憐」 リンは花憐を抱きしめる。 リンはとてもうれしそうで、涙さえ浮かべてた。 花憐のほうもなんだか安心したような表情で。 こうしてウチに新しい家族。俺とリンの"娘"の花憐が加わった。 これでウチは以前にもまして明るくなるだろう。この幸せを大切にしていきたい。そう俺は思った。 ~燐の18「アキバ博士登場」~
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/939.html
紅い巨神・・・皆川が『ギガンティック』と呼んだそれは、バーチャルの空に向かって大きく吼えた 自らが生まれた事を誇る様に、或いは、呪う様に・・・ 「か・・・墨?なの・・・?」 『ギガンティック』の黄金の瞳がニビルを見据える ごうっ!! 「!!」 その一撃をかわせたのは全くの偶然だった 体が反射的に逃げた方向に、偶々手が来なかっただけの話で、攻撃そのものは全く見切れたものではなかった・・・それが左の爪を振ったのだと気付いたのすら攻撃直後だった その動きの速さは『G』の「Gアーム」・・・キャロラインが「ジェノサイドナックル」と呼んだ・・・に匹敵するものだった 神姫に十数倍するその体躯で神姫の最高速度近い攻撃を繰り出してきたと言う事は、この巨神が神姫を遥かに上回る速さを持っている事を意味した 「・・・あ・・・あぁぁ」 それは絶望的な戦力差と言わざるを得なかった 「奈落の底」 「画面が見えない・・・姉さま、どうなったんだろう?」 皆川は、機械をチェックすると言って出て行ってしまった 残されたランカー達は、各々露骨に不満そうな顔をしながらも、その場に皆留まっていた というのも、画面自体は見えないが、バーチャルスペースで戦闘の様なものが行なわれていると思しき音や気配がやまなかったし、ジャッジマシンがいかなる結果もまだ伝えては居なかったからであろう とはいえ、それだけの情報量ではヌルの不安感を拭い切るにはとても足りなかったのであるが 「クイントスさま・・・」 「・・・・・・やはり行く事にしよう」 「え?」 覗き込んだクイントスの表情は硬かったが、どこか嬉しそうでもあった そう言ってクイントスは華墨側のオーナーブースコンパートメントに向かう 「っ・・・待って!私も行く」 会場の誰も、ふたりが抜けた事に気付いていないようだった 明らかな戦力差だったが、ニビルは何とか回避し続ける事が出来た 何故か、使い切った筈の「ゴールドアイ」が復活したからだ それも、いつもより予見が冴えている 同時に判った事は、『ギガンティック』がほぼ「ジェノサイドナックル」「ゴールドアイ」に匹敵する速さと、先読み能力を持っている事であった (かわす事は出来ても反撃は無理ね・・・せめて空戦装備があれば話は違うのだろうけど・・・) 振り下ろされた右腕が大地を割る! 追跡してくる脚力はさながら「ジェノサイドナックル」の脚版だ、歩幅と相俟って、殆ど瞬間移動とも言える速さで移動出来る様だった (駄目、もうかわしきれない!!) 瞬間、『ギガンティック』の動きが止まる 空を見上げる様な仕草をし、どこか、ニビルに見えない遠くを見ている様だった ごつん!! 扉に剣戟で穴を開けて潜入する 強引だが、取り立てて気にした様子も無く、クイントスは佐鳴武士が居た筈のコンパートメントに足を踏み入れた そこに武士は居ない 代わりに、バトルポッドの前に、身長170センチ程の『ギガンティック』が佇んでいた 「!?」 ヌルの驚愕を無視して、クイントスが走る 「会いたかったぞ・・・!!」 ごうっ!! 剣速に音を引き連れて、クイントスの刀が鞘から引き抜かれる その一撃は、これ以上無い程明確に体格差のある『ギガンティック』の爪を一振り斬り飛ばし、刃先には一切血曇りを残さない程だった 怯んだ様子すら無く、ニビルも驚いた「ジェノサイドナックル」ばりの速さで殴りかかる『ギガンティック』・・・それを、クイントスはすんでの所で回避した 外れた拳で床が抉れる 見る迄も無い、神姫が喰らえば全壊は免れ得ない一撃だ・・・恐らく人間でもひしゃげるか、体の一部が捥げるだろう 「まだ自分の体の使い方が判っていないのか・・・?それとも所詮『まがいもの』なのか・・・?そんな程度では」 長い腕の下に潜り込み、合計4撃、極悪無比な音速剣が炸裂する それでクイントスの刀はへし折れたが、同時に『ギガンティック』の五体もバラバラに引き裂かれた 胸から大量の、人間のそれと同じ赤い血を噴き出しながら 「どんな強力な武器を持とうとも・・・それを扱う者が弱者では話にならないという事だな『華墨』とやら」 『ギガンティック』となっていた武士の胸に華墨が浮き上がり、剥離してゆくのがヌルには見えた 『よう華墨、しっかりしろよ』 (マスター?どうしたんだ一体) こんな所でぼさっとしてんなって!ニビルを倒して、クイントスに一泡吹かせてやるんだろ? 『勝とうぜ、俺達二人で!』 (あぁ・・・そうだな、そうだった、二人で勝つんだったな・・・『クイントス』に) そこは暗い奈落の底 漆黒の闇なのか、混沌なのか だが『私』は既に寄る辺無き花ではない 立ち上がり、歩き出す マスターが居てくれる・・・ならば取り敢えず、歩く道は判る だから、私のマスターで居て下さい・・・佐鳴武士 目を開けると、そこはどうもメディカルセンターの様だった 「目が覚めたみたいだね」 振り向くとそこには琥珀嬢とエルギール、それと、ニビルが居た 吹き込んでくる風が、季節の移り変わりを感じさせた どうも、私の認識から季節がずれている様に感じる 違う!季節はそう簡単にずれない、いかに今年は春が短かったからといって、この空気は私が知っている昨日迄と全く違う では、ずれているのは私の認識の方か・・・私の・・・認識・・・? 「マス・・・」 『マスターは何処に?』と聞こうとして、頭に激痛が走った 待て、待て待て華墨、お前は何か重大な事を忘れていないか・・・?何かとても重大で、そしてとても、巨大な何かを!? 「君のマスターは此処に居る、僕だ、僕神浦琥珀が、君のマスターだ」 それで、私の知る限りの全てを思い出した 「佐鳴武士は・・・死・・・」 吐いた 何かを そこで、自分のもうひとつの異常に気付いた 「君はね、普通の武装神姫では無くなってしまったんだよ・・・華墨」 「今の君は、人間とそう変わらない体を持っている、食事をし、排泄をし、呼吸をする体・・・機械と生体のハイブリッド・・・君は・・・」 吐いた、転げ回った 何も聞こえない 何も判らない 聞きたくない!!! 「落ち着きなさい!受け入れ難いのは判るけど!取り乱しても何にもならないッ!!」 ニビルに頬を張られて、動きが止まった 頭の中が真っ白になっていた ただ涙だけは出た 語る言葉も何も無く、ただ、溢れた そしてそれが、他ならぬ私自身に、状況を思い出させていた 「・・・・・・暫く一人にさせてあげよう、ニビル」 出て行く直前に、エルギールが私を見たが、それに対して何かを返す余裕は、今の私には全く無かった 「マスター・・・・・・!!」 その悲鳴に近い声は、涙と共に奈落の底に程近い今の私の心に大きく波紋を浮かべ、虚空に虚しく消えた・・・ 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/253.html
メインウェポンアチーブメント GEM交換 ふくびき その他 サブウェポン メインウェポン アチーブメント 入手元 パーツ名 入手方法 S到達 パラソルスピア フブキでS到達 S到達 ツインビームガン アーンヴァルでS到達 S到達 ローズブーケ(赤) ストラーフでS到達 S到達 ロケット砲“シュトルム・ウント・ドラング” ハウリンでS到達 S到達 バブルマシンガン マオチャオでS到達 S到達 レトロビームガン ヴァッフェバニーでS到達 S到達 ミョルニルハンマー サイフォスでS到達 S到達 センス・オブ・ユーモア 紅緒でS到達 S到達 ゴージャスフェザー ツガルでS到達 S到達 ボコボコハンマー ジュビジーでS到達 S到達 ASK-77 アサルトライフル フォートブラッグでS到達 S到達 オマールダック エウクランテでS到達 S到達 冷凍マグロ イーアネイラでS到達 S到達 フラフープ ヴァッフェドルフィンでS到達 S到達 たこやきボム ティグリースでS到達 S到達 バンドガン ウィトゥルースでS到達 S到達 つるはし グラップラップでS到達 S到達 アキナス アークでS到達 S到達 チャクラム イーダでS到達(2本セット) S到達 ペンライト(レインボー) シュメッターリングでS到達 S到達 お祓い棒 飛鳥でS到達 S到達 手榴弾 ゼルノグラードでS到達 オフィ 飛苦無“蓮華草” オフィシャルバトルで累計10勝 オフィ フライングソーサー オフィシャルバトルで累計10敗 オフィ コルク銃 オフィシャルバトルSクラスで20勝 オフィ お注射器 オフィシャルバトルSクラスで100勝 オフィ 金ダライ オフィシャルバトルを累計500戦 ミッション/ジャーナル クレセントムーン 「ジャーナルからの挑戦状」を6つクリア ミッション/ジャーナル 銀のスプーン 「ジャーナルからの挑戦状」を9つクリア ミッション/ジャーナル 聖槍“ロンギヌス” 「ジャーナルからの挑戦状」を12クリア ミッション/ジャーナル ホールケーキ 「ジャーナルからの挑戦状」を15クリア ミッション/ジャーナル “アクベンス”シザーアーム 「ジャーナルからの挑戦状」を18クリア ミッション/ジャーナル 三色団子 「ジャーナルからの挑戦状」を21クリア ミッション/エキストラ エーススラッシャー 「エキストラミッション」を1つクリア ミッション/エキストラ ラブラブボンバー 「エキストラミッション」を2つクリア ミッション/エキストラ セブンエッジ 「エキストラミッション」を5つクリア ミッション/エキストラ ガトリング砲“アイゼンイーゲル” 「エキストラミッション」を10クリア ミッション/エキストラ ピコピコハンマー(赤) 「エキストラミッション」を15クリア ミッション/エキストラ マイナスドライバー 「エキストラミッション」を20クリア ミッション/イリーガル 魔槍“グングニル” 「イリーガル討伐指令」を4つクリア ミッション/イリーガル ドラゴンキャノン 「イリーガル討伐指令」を6つクリア ミッション/イリーガル ヴァジュラ 「イリーガル討伐指令」を9つクリア ミッション/イリーガル 天羽々斬 「イリーガル討伐指令」を12クリア ミッション/イリーガル バースプーン 「イリーガル討伐指令」を15クリア ミッション/イリーガル マンティスアーム 「イリーガル討伐指令」を18クリア ミッション/シークレット スノーボード 「忍びの仇討」をクリア ミッション/チーム スーパーダイス チームミッションを5つクリアする シミュ “ギガンテス”ロボアーム バトルシミュレータで累計300戦 特定装備 銀のナイフ フライングソーサーでとどめを刺しオフィシャルバトルで勝利 特定装備 ポンポン メインウエポンを5種類使用しオフィシャルバトルに勝利 特定装備 如意棒 打撃攻撃のみ使用し、全ての攻撃を命中させて勝利 特定装備 ダブルレイブレード 「M4ライトセイバー」二刀流でとどめを刺しオフィシャルバトルに勝利 特定装備 ちゃぶ台 投擲攻撃のみ使用し全て命中させて勝利 特定装備 湯呑み アイゼンイーゲルの攻撃のみで勝利 10GEM(GEM/アイテム交換) 特定装備 みかん 雪玉シュートでとどめを刺しオフィシャルバトルに勝利 特定装備 蹄鉄 短銃の攻撃のみで勝利 特定装備 スクールバッグ(紫) 「スクール」コーディネイトでEXオフィシャルバトルに勝利 特定装備 スポーツバッグ(白) 「チアリーダー」コーディネイトでEXオフィシャルバトルに勝利 特定装備 方天戟 「中華」コーディネイトでEXオフィシャルバトルに勝利 特定装備 ラッキーコイン 「ギャンブル」コーディネイトでEXオフィシャルバトルに勝利 特定装備 たけのこドリル 「クッキング」コーディネイトでExクラスオフィシャルバトルに勝利 特定装備 プラスチックレーキ 「ファンシー」コーディネートの武器のみ全て命中させてオフィシャルバトルに勝利 特定装備 ビート板 アクアで「スクール水着」を着用し、オフィシャルバトルに勝利 特定装備 みたらし団子 シティ(夜)で「湯呑み」の攻撃を3回以上命中させて勝利 育成 スタンロッド 神姫を6種類、成長限界まで育成 育成 桃花扇 特級トレーニング全種大成功 育成 グレートリッチ 神姫を3体、Sクラスにする 特殊 モアイ像 残りLPが573でバトルに勝利 特殊 ビーチボール 累計1000回スキルを使用 特殊 万能包丁 オーナーグレードがPlatinumに 特殊 プラスチックバケツ 「金ダライ」の攻撃を3回以上受けて勝利する 特殊 水風船ヨーヨー 「ゆかた」アーマーを装備した神姫にオフィシャルバトルで勝利 特殊 ハンディクリーナー 自分の神姫がCHARM状態で相手にとどめを刺して勝利 特殊 イガグリボム 爆弾攻撃のみ使用し、全ての攻撃を命中させて勝利する 上へ戻る GEM交換 入手元 パーツ名 入手方法 GEM ツリーランス 30GEM GEM 大筆 50GEM GEM ダーツ 50GEM GEM スクールバッグ(紺)・(緑) 25GEM GEM スポーツバッグ(赤)・(緑) 25GEM GEM ピコピコハンマー(緑) 30GEM GEM ローズブーケ(黄) 25GEM GEM 忍刃鎌“散梅” 25GEM 初回ログイン特典 GEM 教鞭 25GEM GEM 黒板消し 25GEM GEM 土鍋 20GEM GEM 竹槍 20GEM GEM ボールボム 25GEM GEM ウイングブレード 50GEM GEM “スティンガー”レーザーライフル 100GEM GEM ジェムバレット 100GEM GEM レインボーアーチ 100GEM GEM ウインビームガン 100GEM GEM クリスタルソード 150GEM GEM ダブルコットン 100GEM GEM つくしスピア 25GEM GEM 桜スピア 40GEM GEM ロングボウ 75GEM GEM つりざお 10GEM GEM アスパラスピア(グリーン)・(ホワイト) 25GEM GEM バレーボール 50GEM GEM 愛のムチ 150GEM GEM ススキセイバー 50GEM GEM パンプキンヘッド 50GEM GEM トンファー 100GEM ネットカフェ先行交換 GEM ヌンチャク 100GEM GEM 怒りのブドウ 100GEM 上へ戻る ふくびき 入手元 パーツ名 入手方法 ふくびき、宝島 小判 ふくびき4等/宝島「冒険の始まり」 ふくびき、宝島 リコーダー ふくびき4等/宝島「のどかな放牧地」 ふくびき、宝島 スリングショット ふくびき4等/宝島「砂漠戦線異常なし」 ふくびき 風車手裏剣 ふくびき4等 ふくびき イースターエッグ ふくびき4等 ふくびき アイシクルスピア ふくびき4等 ふくびき 和弓 ふくびき4等 ふくびき、宝島 紙ヒコーキ ふくびき3等/宝島「砂漠のサンタクロース」 ふくびき ハンドベル ふくびき3等 ふくびき 消火器 ふくびき3等 ふくびき ミトン(ピンク) ふくびき3等 ふくびき ダイナマイト ふくびき3等 ふくびき 極意之巻「飯綱」 ふくびき2等 ふくびき ドラゴンクロー(ブラック・シルバー) ふくびき2等 ふくびき ウォーターガン ふくびき2等 ふくびき 赤青えんぴつ ふくびき2等 ふくびき 線香花火 ふくびき2等 ふくびき 芭蕉扇 ふくびき2等 ふくびき 竹刀 ふくびき2等 ふくびき 天叢雲剣 ふくびき2等 ふくびき シャンパンボトル ふくびき2等 ふくびき オペレーションマニュアルⅠ ふくびき1等 ふくびき オペレーションマニュアルⅡ ふくびき1等 ふくびき オペレーションマニュアルⅢ ふくびき1等 上へ戻る その他 入手元 パーツ名 入手方法 特殊攻撃 ツインビー&ウインビー合体攻撃 ツインビームガン、ウインビームガンを装備 イベント ローズブーケ(青) 期間限定ログイン コード スクールバッグ(ピンク) CM73武装神姫カプセルトイ コード スポーツバッグ(黒) CM73武装神姫カプセルトイ コード 大手裏剣“白詰草” TGS2006配布ステッカー付属コード コード ラジオロンドCD 「武装神姫RADIO RONDO」ラジオCD付属アクセスコード 宝島 芭蕉扇(黄) 宝島「灼熱の罠」 宝島 竹刀(炭) 宝島「ラビリンス」 宝島 緑黄えんぴつ 宝島「全てを呑む渦」 宝島 天叢雲剣(黒) 宝島「最後の守護者」 イベント バースデーキャンドル 2周年感謝祭配布 イベント 柏餅 2周年感謝祭ビンゴ 500bp イベント バスケットボール 2周年感謝祭ビンゴ 1000bp イベント ビニールスリッパ 周年感謝祭ビンゴ 2000bp イベント 枕(各種) 2周年感謝祭ビンゴ 4000bpブルー:1周目ピンク:2周目 イベント 体操マット 2周年感謝祭ビンゴ 5000bp イベント 跳び箱 2周年感謝祭ビンゴ 6000bp イベント スクールチェア 2周年感謝祭ビンゴ 10000bp イベント スクールデスク 2周年感謝祭ビンゴ 12000bp イベント レイディアントボウ 2周年感謝祭ビンゴ 14000bp 上へ戻る サブウェポン 入手元 パーツ名 入手方法 S到達 リンドヴルム ムルメルティアでS到達 ミッション/イリーガル オプション 「イリーガル討伐指令」を2つクリア 特殊 ぬいぐるみ“ハピラピ” コンボ数35以上を達成する 特殊 ぷちモアイ ぷちモアイを装備した相手に勝利する GEM 雪ダルマ 20GEM ふくびき、宝島 人魂 赤・青・緑 ふくびき3等黄 宝島 上へ戻る